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現代の匠が最新設備をもつ大正時代風にアレンジしたSL列車

SLやまぐち号は、山口県新山口と
島根県津和野を結ぶ列車。

新しい、客車に代わりグリーン車を連結。
令和の時代に現れた最新の大正を
味わえる列車だ。


■35系客車とは?



 この客車は、SLやまぐち号のために
JR西日本が渾身をこめて作った車両である。

わざわざ、客車を新調した
(従来の車両を改造ではない)ということは、
永続的にこの列車を運転するという
意気込みを感じた。

■テーマ


まんなかの緑の光(窓の下)は、充電等ができるコンセント


 この車両は、大正から昭和初期頃に
長距離列車で走った列車を
モチーフにしている。

例えば、東京―大阪を結ぶような
列車である。

それを徹底的に再現している。
グリーン車は当時の1等車である。

当時は、今のような平等な世の中でなかった。
そのため1等車は、有閑階級しか乗ることが
許されない
といわれていた。

当時だったら、私のような平民は
乗ることさえ不可能な車両
だった。


グリーンの座席に座ったら、こんな感じに見える

■普通車のにぎやかな様子


布張りの座席もある


 普通車は、いわゆる4人でひとつの
ボックスシートと呼ばれる仕様で、
向い合わせである。

途中の3号車には、売店や
ゲームコーナーがある。

これは、石炭を窯に投げ入れる
バーチャルゲームでこどもも飽きずに
遊ぶことができる。

この列車では普通車側のデッキが
開放される。

ここで、風を浴びるのもなかなかいい。
 大正時代の列車には普通車側には
デッキはなかったようである。

このデッキはファンサービス向け
といえる。


デッキ


外から見ればこんな感じ

■グリーン車



 赤いモケットのシートで、横2&1の
配置である。

なお、大正時代の列車は1&1の配置
だったと思われる。

それをすると、あまりに席数が少なく
なるためここは妥協されたようである。

この車両は、出入り口に近い部分には
ボックスの席もある。

ここは、グループにはもってこいの
席である。

なおデッキがあるが、乗車した
新山口行きは機関車が連結されるため、
外に出ることはできない。

そして、その手前にはフリースペースの
ソファー席が用意されている。

ここは、ホントに走る貴賓室と
呼べるスペースだ。


グリーン車利用者ためだけの貴賓室



なお、この車両は大正時代の見た目を
しているが最新の設備を備えている。
そのため、各座席にはコンセントを
備えている。

走行位置を示すサイネージを車端部に
備えている。

ただ、車内にある案内地図(全国)は
大正時代のものが貼られていた。


■遡ること1か月と少し前


 このSLやまぐち号は大変人気がある。
特に座席数の少ない(1両分しかない)
グリーン車は争奪戦必至である。

そこで、私はあえて人気がやや低い
津和野→新山口方面で
予約を狙うことにする。

それで、なんとか押さえることの
できたプラチナチケットである。

インターネット予約のē5489の事前予約を
使いなんとか取れた。

なお、普通車は当日でも予約をとれる
様子だった。

それでも残席数はわずかだったみたい。


ē5489にログインすると、事前予約を使える

■津和野駅は普段は無人駅?


SLを運転しない日には、
きっと閑散とした駅なのだろうと推察される。

SL運転日には、お弁当を売る人や観光協会では
電話をしながら当日の空席を予約している
様子が窺えた。

やはり、SLはお祭り騒ぎといっても差し支えない。


通路・洗面所

■大幅に値上げ



 この「SLやまぐち」であるが今年大きく
値上げされた。

座席指定料金は、1800円、グリーンは2500円
である。

今までのことを考えると大幅な値上げであるが
それでも、これだけ多くの人が乗ることを
考えると今までは安すぎたといっても
過言ではないようだ。

■帰ってきたSL



 実は、今年の7月からSLが帰ってきた。
実は、数年間SLが不調で代わりに
DL(ディーゼル機関車)が代走していた。

やはり、SLは古くてメンテナンスが
大変である。

九州のSLひとよし号は、
ついに引退してしまったのも記憶に新しい。

■ホントに沿線でも大人気のSL



 あちらこちらで手を振る人や、
SLの速度に合わせてクルマを運転する人、
雄姿を撮影する人、
ホントに多くの人がこちらに注目
しているのがわかる。

乗っているこちらも、その声援に
こたえ手を振り返す。

なんか心の温まるふれあいだと感じる。

■SLを運転する人たち


機関車の後方に連結した石炭を積んでいる車両から機関車の方へ石炭を移す作業されている方


 機関士と呼ばれる、SLを操る人たちは
ホントに重労働だと認識する。

絶えず、石炭を窯に投入し続けなければ
ならないし、トンネルに入ると
煤で汚れるだろう。

 もちろん、屋外なのでエアコンなどない。
するとこんな暑い時期は
熱中症の危険と隣り合わせ。

ホントにSLを絶やさず残していく
というのは並大抵のことではないと
痛感させられる。


忠実に再現された車両

■まとめ


・山口線沿線は、SLで大いに盛り上がる
・SL列車は、座席をとるのも一苦労
・特に、グリーンはプラチナチケット
・SLを次世代へ受け継ごうとJR西日本も大きな努力をしている


SLが津和野駅構内移動中

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