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洞窟と窓。あるいは夢について。
移転後のTAKU SOMETANI GALLERYに初めて伺って、内田麗奈さんの個展「クロマニヨンの夢」を拝見した。
内田麗奈さんは、2019に東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻(油画第一研究室)を修了し、現在は、東京藝術大学油画科助手を務めている作家だ。
壁にかかるベロア生地を支持体としたカーテンのようなものは、洞窟壁画をイメージしたものだとか。内田さんにとってカーテンは瞼のようなものであるらしい。
閉じているカーテンを洞窟壁画に見立て、そのカーテンの影に隠れている窓を想像する。その窓は、言葉をもたぬクロマニヨン人の脳に浮かんだ「なにか」を象徴している。ただ、彼らはその「なにか」を残す術をもっていなかった。しかしそれ故に“ゆめ”が生まれていたのではないかと内田さんは言う。
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内田さんはそこにとどまらず、カーテンを開け、窓を出現させる。そこには、景色があり、やがてそれは絵につながっていくかもしれないと言う。そうして瞼を閉じたときに現れる“ゆめ”と瞼を開いたときに見える現実世界がつながる。
洞窟 のカーテンを開けた先には、どんな絵でも「窓」として、その時の見たい ”景色” を見ることができるのです。
展示では、窓のなかに「はじまりのクロマニヨン」と題した鉛筆漫画などが配されている。私たちは窓を通して六万年前の“なにか”をみているのか。鉛筆漫画の筆致はポップで現代的で、ベロア生地の作品とのコントラストは鮮明だ。
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それらを前にして短時間。頭の中にぼんやりとある何かを書き連ねることは難しい。術があるということと、できるということは別なのだ。
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内田麗奈「クロマニヨンの夢」
2022年9月11日(日)まで
TAKU SOMETANI GALLERY
開廊 13:00-19:00
月・火休廊
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前2-10-1サンデシカビル1階
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