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桜満開の尾道は、「好き」との出会いで溢れていました。
新緑の美しい季節の訪れを感じる日々ですね。
もう遠い昔のようにも感じられてしまうのですが、今月の上旬に、桜が咲き誇る春の尾道を訪れた思い出を書き留めようと思います。
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朝早い飛行機に乗るため、まだ薄暗いうちから空港に向けて出発しました。
夫が運転する車の中で、太陽が昇る瞬間を目にすることができ、良い旅になりそうな予感に胸が高鳴ります。
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空港で夫と別れ、美味しい朝ごはんがいただけると評判のHitoshinayaにて、お粥御膳をいただきました。
旅行への期待感と緊張であまり眠れていなかったのですが、食前に提供された熱いお出汁を口に含むと、目がシャキッと覚めて背筋が伸びるような感覚になりました。
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飛行機の中から見える景色を撮影するのも、飛行機を使う旅の醍醐味です。
そのため、いつも窓際の席を予約しています。
この日は快晴で、雪化粧をした富士山の鮮明な姿を写真に収めることができました。
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広島空港に降り立ち、バスと電車を乗り継いで尾道駅に到着したのが午前10時半頃。
Googleマップにリストアップしていた気になる場所を1つ残らず制覇しようと、早歩きで目的地まで向かいました。
1日目は1人旅なので、誰に気兼ねすることもありません。
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まずは、お目当てのカフェが開店するまで、桜が綺麗に咲いていそうな場所を探して歩き回りました。
尾道は坂が多いため、少し歩いただけでも息が切れてしまうのですが、その分、色々な高さからの景色を楽しむことができます。
ここは持善院のあたりだったと思うのですが、門の向こう側で一面の桜が出迎えてくれたり、石の階段を覆い隠すほどの桜が光と影のコントラストを織りなしていたりと、ため息が出てしまうような光景と出会うことができました。
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夢中で写真を撮りすぎたため、カフェの開店時間まであと20分を切ってしまいました。
お目当てのカフェというのが、築80年の日本家屋をリノベーションし、カフェ兼宿として営まれている水尾之路。
私よりも先に開店を待っている方が2グループいらっしゃり、その後も続々と列に加わる方が増えていました。
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店内の席に案内され、ほっと一息をついて周りを見渡すと、床の上できらきらと揺れている木漏れ日に視線が吸い寄せられました。
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静謐な光だ、という言葉が頭の真ん中に浮かんできました。
磨き上げられた床や凛とした佇まいの花瓶が、まるで息をしているように感じられ、ここに居る物たちは、大切に丁寧に扱われているんだろうな、ということがよく伝わってきます。
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水尾之路さんのInstagramに載っているような素敵な写真には到底及ばないのですが、あの空間を写真に残すことができてとても幸せでした。
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夢心地のまま外に出ると、満腹であるはずが、次は甘いものが食べたくなりました。
もう一つ気になっていたカフェ、喫茶キツネ雨が歩いて割とすぐの場所にあったので、足を運んでみました。
尾道には素敵なカフェが沢山あるのですが、特にこのカフェが気になったのは、静かな雰囲気を大切にしているため、小学生未満の方や騒がしい方の入店は遠慮いただいている、とウェブサイトに書かれていたためです。
私は小さな子供の泣き声や騒がしい物音がとても苦手なため、静けさを楽しみたい気持ちを尊重してくれるお店は、それだけで応援したくなります。
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しっかりとした硬めのプリン、しゅわしゅわが少し刺激的なクリームソーダ、そして店内に流れる控えめな音量のクラシック。
『その昔、日本人が西洋文化に憧れを抱いた時代をイメージした、どこか懐かしい喫茶店』(※同店Instagramより引用)という世界観が確立されたカフェでした。
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お腹も心も存分に満たされた後は、駅の向こう側まで足を伸ばし、川沿いの桜を撮り歩きました。
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そろそろ宿泊する宿に向かおうと、千光寺ロープウェイの乗り場へ。
桜の季節で特に観光客が多かったのでしょうが、目を疑いたくなるほどの長蛇の列が続いていました。
しかも、私はチケットを先に買ってからロープウェイに乗るための列に並ばなければならなかったことを知らず、チケットを買うために一度列から離脱したりもして、結局、約45分は並んでいたと思います。
かれこれ3時間は立ちっぱなしだったため、足は棒のようになってしまいましたが、山頂から見える尾道の街並みを見て、ここまで来てよかったと心から思いました。
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山頂から10分ほど下った頃、宿泊する宿であるみはらし亭が見えてきました。
みはらし亭は元々は大正時代に建てられ旅館として営まれていたものの、廃業してからは長いこと空き家の状態が続いていたところを、とあるNPO法人の手によってゲストハウスとして生まれ変わったそうです。
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部屋に通されて窓の外を開けると、まず目の前に飛び込んできたのは、一面に広がる桜でした。
部屋の中から桜が見えるとは聞いていましたが、こんなに間近かつ正面で見ることができるとは思わなかったです。
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この日は旅の疲れもあって、軽めの夕食を済ませてシャワーを浴びるとすぐに眠りに落ちてしまいました。
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翌日、私は今回の旅で一番写真に残したいと思っていた景色を撮るため、早朝の5時に目を覚ましました。
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東の空は既に色付き、尾道の街が曙色の光に包まれていきます。
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みはらし亭の部屋の中から見える、尾道の朝焼けと桜。
この景色が撮りたかったんだ、と、私は震える息を整えながらシャッターを切りました。
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日が完全に昇るまで、かれこれ1時間は写真を撮っていたと思います。
撮影が一区切りついたところで、みはらし亭の中にあるカフェで、ホットサンドとジンジャエールをいただきました。
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目の前の桜と見つめ合いながら朝食をいただけることなんて、人生に何度もできる経験ではないと思います。
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この時、私の憧れの写真家さんもみはらし亭に宿泊していることが分かり、対面を果たすことができました。
SNSの力って凄い・・・。
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のんびりと景色を楽しみながら階段を下り、尾道駅の前で友人と合流しました。
友人も写真を撮ることが好きなので、1日目に目星をつけておいた場所で一緒に景色を撮ったり、お互いを撮り合ったりして楽しみました。
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風がかなり強く、桜が豪雪のように舞い落ちる神社で写真を撮った時は、白昼夢を見ているような感覚に陥りました。
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休憩がてら、2人で行きたいねと話していたカフェ、帆雨亭に立ち寄りました。
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この日は少し雲が出てきてしまっていたのですが、窓から差し込む光が美しく、初夏の空気に触れた気がしました。
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尾道といえばここ、と言われるほど有名な、桜と踏切が見える場所にも行きました。
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かなりの人気スポットなので、私達以外にも沢山のカメラを抱えた人がいらっしゃり、黄色い電車が通り過ぎるのを今か今かと待ち構えていました。
電車に詳しい方や、この場所での撮影に慣れている方に色々と教えていただきながら時間を過ごし、ついに黄色い電車に向けてシャッターを切ることができました。
この時の踏切前は、初対面の人たちが集っているとは思えないほどの一体感に包まれていました。
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春の尾道を存分に満喫したところで、夫へのお土産に尾道プリンを買い、友人と別れて広島空港に向かいました。
旅の終わりは、いつも寂しいものです。
広島での最後の時間を惜しむように、空港の展望デッキから夕焼けを撮影しました。
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今回の旅で私は、いくつの「好き」に出会えたのだろう、と思い出に浸っていると、寂しさを上回る温かな気持ちが胸に広がっていきました。
私はきっとここに戻ってくる、という予感に励まされ、日常へ戻るための飛行機に乗り込みました。
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今回の旅を通じて、春だけでなく、様々な季節の尾道の顔を知りたいと思いました。
少しずつ人の行き来が盛んになりつつある今、この記事が、皆様の旅の計画の参考になれば幸いです。