見出し画像

【教育専門家に聞いてみた】おるたネット代表・古山明男さんが考える不登校の原因とは?


こんにちは。高野ゼミ教育班です!

今回は子供が不登校の原因と、本来の教育について古山さんに伺いました。以下、インタビュー内容です!

インタビュー内容

Q子供が不登校になってしまう制度的な原因は何だとお考えですか?

A子供の学習権が保証されていないことと、教育が多様化していないことがあると考えています。やはり、制度的な面での遅れが大きいのが日本です。

不登校は日本特有の現象です。他国と比較しても、こうした事例は少ないのです。
不登校を国際比較すると不登校、及び民主主義の本質が見えます。例えば、北欧諸国やアメリカ、イギリスは民間、行政の不登校生徒を支援する動きがあります。子供が学校に行けなくなった場合に、「この子に合わなかったのなら、じゃあどういう教育にしていけばいいのか」、と柔軟に新たな教育体制が作られていくのです。

不登校が社会問題化しているのは、世界を見ても、日本、韓国、台湾のみです。成績評価やクラス分けが似ているんですね。しかし、韓国、台湾はフリースクール、オルタナティブ教育の合法化により解決の動きがあるため、不登校の割合は減少傾向にあるようです。日本は、義務教育の枠の中で改善を試みているので、不登校がなくならない現状があります。やはり日本では制度面からの改革が必要です。

Q子供が学校に行けなくなってしまう原因はあるのでしょうか?

 子供はなぜ不登校になってしまうのか、未来地図さんのデータによると、不登校の原因については「わからない」が第一位です。もやもやとわからないまま進行していくことが多いです。例えば、学校を休んでいる間に、他のオルタナティブ行く間に回復し、後々に原因が分かることが多いのです。
 これは、不登校になっている時は、子供が混乱状態で外界を認識できないことや、無意識のうちに体が反応して外界に注目できないことがあります。つまり、原因については本人でも気が付かないものなのです。本人は頑張ろうと思っているけど、学校にいくと不安になり、身体的に学校に行けない子供も多いのです。学校が近くなると、警戒スイッチが入ってしまうイメージです。脳神経科学のメカニズムでもわかってきたことなのですが、安全か危険な場所かを常に人間は判断しています。だから、本人は「行く」と言っているけど、頭痛や腹痛がして、休むと元気になることは自然とあるのです。大人は子供の恐怖を理解すること。そして、それを手助けしようとすると、必然的に、教育は多様になっていくものなのです。義務教育という狭い枠の中でははみ出してしまう人がいる。これは自然なことです。

ーーーーーーーーーーー

不登校の原因を発見することに焦ってしまいそうですが、そうではなく、子供の声をじっくり聞き、学校に行けない状況を焦らないことが大切なのですね。場合によっては環境を変えたり、時間を置いたりするうちに、子供にあった教育は必ず見つかるのだと思います。こう考えると、学校に行くことができない生徒に対し、「不登校」という名前をつけること自体が誤っているように感じます。学校に行けず、一番苦しんでいるのは、その当事者であるはずです。だからこそ、周りが焦るのではなく、彼らにあった教育を大人たちがサポートしていく必要性を強く感じました。

次回は古山さんのインタビュー最終回です。多様な教育のあり方についてお送りします。お楽しみに!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?