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【多様な教育を見てみよう】NPO法人・さいたまユースサポートネットにインタビューしてきました!vol.2

こんにちは!
早稲田大学文化構想学部 高野ゼミ教育班です!
「子どもたちにとって多様な教育機会を広げる」ことを目標に研究を行っており、その一環として多様な教育の最前線に関わっていらっしゃる方々に対してインタビューを行っています。
今回の記事では、特定非営利法人さいたまユースサポートネット、ならびに代表理事の青砥恭さんへのインタビューを掲載します。

インタビュー内容(vol.1より続く)

Q.先ほどのご回答の中で居場所という部分を重要視されているようにも感じたのですが、ユースサポート、あるいは青砥さんご自身では居場所といったものについてどのように考えていらっしゃいますか?
A.居場所に関しては必ず誰しもに必要なものだと感じています。しかしながら、現在の学校教育の場においてそれほど可視化されていないといいますか、優先順位が低くなってしまっているものなようにも感じています。人間社会ですから、対立や衝突は一つのコミュニティの中で必ず生まれます。学びや活動をするには、人が交わる居場所がとりわけ若者や子供にとっては必要不可欠であるにも関わらず、学校での優先順位が低くなっているのはおかしなことと言わざるを得ません。

Q.具体的になぜそうお考えなのでしょうか?
A.現在の学校教育では、第一義的に学校は学びの場としてみなされます。子どもの学力の内容がそれほど吟味されることなく、勉強ができることという価値尺度が上位に位置付けられているのです。その結果、学校の中で競争を強いられ、友達は協同する仲間ではなく競争相手になってしまいます。すると、子どもたちの中には「競争のために勉強をする」という価値観に支配されるようになります。本来仲間や友だちであるはずの子どもが競争相手になるのですから、そこから、他者への恐怖心、人間嫌いから他者への不信感、社会への不信感に発展します。不登校の原因もそこにあるように思います。文部科学省の調査では、コロナ後のいま、不登校の生徒と自主休校をしている生徒が合計で20万人以上存在していることが明らかになっていますが、これこそが子どもたちがこれまでの学校教育で他者や社会に対する不信感や恐れを抱いてしまっていることの証拠だと考えています。ですから、私たちの活動は、競争とは無縁の居場所を地域の方々との協同で提供したいと思っています。

Q.では、そのような認識のもと活動をしているわけですが、その中で感じている課題点についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

A..そんな活動に参加していただく人材がまだまだ少ないこと。スタッフの専門性の育成とそれを支える財政的な基盤の弱さといった部分だと思います。関心を持っている若い人は多いのですが、給与が低いと自分の生活を支えられません。スタッフの生活も支える財政問題は重要です。
財政に関しては国からの支援が足りておらず、しかも、国や自治体からの委託事業の入札に競合した民間企業に負け、事業を失ってしまったこともあります。
お金がなければ給与を払えませんので、同時に頑張っていた若いスタッフを失ったこともあります。そもそも、NPOは地域社会でひずみに沈んでしまう人を支える役割を果たすのにも関わらず、地域づくりに関心のない、営利を目的にする民間企業が参入して大丈夫かなと不安にもなります。

Q.そのような課題と向き合いながら、広報や持続的な活動を行うにあたって心がけていることはどういったことでしょうか?

A.広報に関しては正直うまくいっているわけではなく、フェイスブックのシェア頼みという状況です。
持続的な活動の方に関しては、大きく2点です。1点目は人材育成、2点目は地域社会に根を張ることです。すでに地域社会と連携して行うプロジェクトも複数行っているのですが、どのように地域社会と協働してユースサポートが動いていくか、といった部分は考えているところです。

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今回はここまで!全3本立てでさいたまユースサポートネット・青砥さんへのインタビュー内容をお送りします。

次回の記事では、青砥さんへのインタビュー調査を受け、私たちが考えたことを中心にお伝えします。お楽しみに!

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