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娘が保育園に行きたくないのは地味にメンタルに響く。

「行かない」
「先生イヤ」
「ブロックするの」

あれやこれや言い訳を連ね、娘は保育園を休もうとする。

「ええ〜、みんなと一緒に公園行かないの?」
「みんなと遊ばないの?」
「先生とお話ししないの?」

とりあえず何か楽しそうなことを羅列して対抗する私。

「そうか〜。嫌なんだね」
「ブロックしたいのか〜」

娘の気持ちを認めつつ、この後どうすればいいかわからず固まる私。

「いかない」
「いこ?」
「いかない」
「いこ?」
「いかない、いく!」
(!?)
「よし、行こうか!」

となり、無事に玄関を出ることができた。
が、また車に乗ってから行かないと言い出す。

チャイルドシートに座らないからベルトを締められない。
隣にこいと言われるから、とりあえず隣の後部座席に座ってみる。

「だっこ〜」

「おお、そうきたか」と思いながら抱っこする。
背中をトントンしながら、
「座ろうよ」
「保育園行こうよ」
と説得する。

「いや!」
と娘は一向にチャイルドシートに座らない。
9時に間に合うのは諦め、とことん付き合うことにする。

だって、私の体に聞いてみたら、娘には保育園に行ってもらわないときついって言ってたんだもの。

「そっか〜いやか」
「小さい公園いく!」
「小さい公園?」

と、会話がずれていく。
いつまで経っても、「じゃあいいよ、お休みしよう」と言わない私に業を煮やした娘は、私の顔からメガネをぶんどった。

細いフレームがそうは設計されていないだろう方向に曲がっている。
やめてくれ。
けっこう真剣な顔と声音で伝えたつもりだったが、娘は笑って私のメガネを放さない。

どうやったかはもうさっぱり忘れてしまったが、5分ほど格闘した後、とにかく私はメガネを取り戻した。
それを助手席に投げて、メガネがどうのこうのとしている間に座った娘のチャイルドシートのベルトを締める。

一息ついた。

娘はまだ抵抗の意を示すべく泣いている。
が、外してやるわけにはいかない。

指紋でベタベタに汚れたメガネをかけて、車を走らせた。
もう9時5分である。
イライラしてしまうのも許して欲しい。

しばらく経てば

「パン屋さんいく」
「パン屋さんは今日はおやすみだよ」
「金曜日に行く」
「そうだね、パン屋さんは金曜日だね」

と普通に会話が成立する。

泣き止めばご機嫌なようで、ひとり何やらお喋りを続けていた。
ただ、手に持っていた折り紙のウサギが車内に落ちたらしく

「落ちちゃった〜」

と悲しげに言っていた。

保育園の駐車場につけば、車からはスルリと出られる。
園の中にもすんなり入れる。
ただ、準備には時間がかかる。

なかなか脱がないジャンパー。
なかなか脱がない靴と靴下。

「はい、脱ごうね〜」と脱がせる私を置いて、娘は先生に何やら一生懸命話しかけている。

どうにか脱げても、今度は抱っこで私から離れない。
最後にぎゅーっと力を込めて放せば、自分から先生のところに行った。
でも、本当はバイバイが嫌だから、先生にも抱っこをねだる。
先生に抱っこされた娘に手を振って園を後にする。

なんとも言えない罪悪感のようなものが込み上げる。

私が病気じゃなかったら、娘を保育園に預けることもなかった。
でも、病気じゃなかったら働いていたから、結局保育園には通っていたと思う。
そんな考えても仕方のないことをぐるぐると胸と頭の中でこねくり回す。

ただ、保育園には行けたからそこにはホッとして、車を走らせる。
そして、またホッとしたことに罪悪感を覚えるのだ。

連休が長かったせいか、どうにも低浮上だ。
あれがしたい、これがしたいと湧いてこない。

嫌だな〜と思いながらどうにか家事をこなしている。
そんな感じ。

ただ、まだ娘が保育園に行き始めてから2日だから、復活しようにもできないのかもしれない。
娘には悪いが、今週は頑張って保育園に行ってもらわなくてはならないだろう。
そうじゃないと、倒れる気がする。

家族はチームプレイだとは思うけれど、まだ2歳の娘にあれこれ頑張ってもらい過ぎかな、なんて思ってしまう。
ただ、2歳だからこちらが疲れることも多々ある。

そろそろ迎えに向けて夕食の準備を始めることにする。
娘は昼寝から目覚めた頃だろうか。

そんなことを考えながら筆を置く。

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鷹野いづみ
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