若くなるには、時間がかかる
これは、パブロ・ピカソの名言だそうだ。
以前から気になっていた言葉だけど、正直、意味はわかったような、よくわからいような、それでもなんだか忘れられないフレーズだった。
2024年12月14日、僕は還暦を迎える。
60かよ!と思う。50代に入った頃から、実年齢と意識がどうも折り合わない。
60歳にもなって「僕」で良いんだろうか?と思ったりもする。かしこまった場では「私」という時もある。
若い頃のままでいたい自分と、若いままでは痛い自分がいる。
(と、韻を踏んでみた)
とはいえ、体はそれなりに年相応にメンテが必要だったりもし、嫌でも年齢を感じるときも、正直ある。同世代が集まると、LOGANや病気の話でもちきりだ。それが自然の摂理だ。
ところで、赤いちゃんちゃんこを着て還暦を祝う習わし、あれは何故「赤いちゃんちゃんこ」なのか?ずっと不思議に思っていた。
どうやら、「生まれ直してもう一度赤ちゃんからやりなおし」ということらしい。そこで、ふと例のピカソの言葉を思い出した。
もしかして「若くなるには、時間がかかる」は、還暦のことを指しているんじゃないか?ピカソが中国の故事を知っていたのかはさておき、同じような「一周して生まれ変わるような感覚」を、老境にさしかかったピカソも感じたんじゃないか?そんな仮説が、頭に浮かんだ。
今回の35周年アルバム、リリースが11月27日に決まったときに、50代最後のアルバムだな、と思った。エッセイにも書いたけれど、今までを振り返るのは執筆でやりきったので、アルバムでは新しく生まれ直そうと、ずっと思っていた。
実際、今までの音楽生活でやりたくてもできなかったことを全部できた開放感がある。「できなかったこと」は何なのか、それについてはまた次回。
(続く)
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