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あしたの君へ 柚月裕子
研修中の家裁調査官補(カンポちゃん)望月大地が
少年事件、離婚問題など、自信を失いながらも奮闘していく物語。
初めての仕事で、ある少女の家庭環境を目にする、この少女が新しい環境にて、前を向いて歩んでいけるのか。
完璧主義の母の元、自己否定、劣等感で、壊れていく少年、
望月とゆっくりと話して、暖かく見守られ、包み込まれていくうちに、
確かのものに気づく。
離婚問題の親権に関するときに、子供が「親ってなに」と問う。
ここにはいろんな家族の、葛藤や苦しみが書かれているが、このカンポちゃんの頑張りで、きっと今よりも、幸せな生活が待っていてくれると願う。
心理学的な読み物のような気がした。
望月は上司の指導を、インドの詩人タゴールの言葉に重ねた「人生航路は大きな川の流れによく似ている」
ならば、自分の仕事は、川の途中で浅瀬に乗り上げたり、船が沈みかけている人たちを、救い上げることだ。再び川を下り、海へ旅立つ手助けをする。
彼の研修が終わり、立派な家裁調査官になることを期待する。