「note入門勉強会」 新聞記者が学んだこと
12月19日の夜、noteを運営するピースオブケイクの新しいオフィス(東京都港区)で「note入門勉強会」が開かれました。私、1990年入社で記者歴28年のおじさん、村野も参加しました。現在はCOMEMOスタッフと複業でBSテレビ東京「日経モーニングプラス」のコメンテーターをやっております。3流の記者だった自分ですが、書くこと、伝えることについてはいちおうの基本動作はマスターしているつもり。ただ、新聞と異なる媒体での伝え方、読まれる書き方は違うはず。記事とは違う伝え方を新人のつもりで学んできました。
真新しいオフィス内のイベントスペース。机から椅子、床まで白で統一されたさわやかな空間。今回の勉強会はnoteを始めようと思っている人、始めたばかりの人が対象です。
参加者は約30人。勉強会は人気で受け付け開始から数時間で締め切ったとのこと。男女半々、いや女性が多いか。年齢は一見したところ20~40歳代、平均をとると30歳代なかばといったところでしょうか。私の席には4人。隣の男性Kさんは2年前に始めてしばらく間をあけて再開したそうです。私の向かいに座った女性は「まだnoteを始めたばかり」と話してくれました。
《内容》
noteを続けるためのコツ、多くの人に読んでもらうための基本的な使い方、テクニックを学ぶセミナーです。
・noteの活用方法について
・noteを活用している方の事例紹介
・noteの最新機能について
ピースオブケイクのディレクター、水野佳輔さんが、「読まれるnoteの書き方」や「機能の使いこなし方」をレクチャーしました。
読まれるnoteの書き方
最初に水野さんから参加者に「noteのイメージを書いてください」というお題が。私が書いたのは「日常を書く」「白」「意外性」「日記」というワードでした。隣のKさんに見せてもらうと、「今年 はやった(流行した)」「誹謗中傷がない」などの言葉がありました。2人でいろいろ話しているとnoteへの期待感が高まります。
場が温まったところで、水野さんは本題に入ります。
一番大事なことは
・創作を楽しみ続けること
・ずっと発表し続けること
そのために必要なこととは。
「誰に向けて何を提供するか」
・誰を読者にするか
・何を目的にするか
私もこうしてnoteアカウントを持ち書いていますが、恥ずかしながらこの意識は全くありませんでした。こんなに意識が低いのは私だけかもしれません。新聞社という看板のもと、記事に一定のお客さんがつくのは保証されてきました。ある意味、「読まれない」という心配がないからでは。
「新聞ではなくnoteで発信する以上、誰を読者にするか、何を目的にするかという点は明確にしなくては」。ただ、漫然と書いてきただけの自分を猛省しました(キッパリ)。といっても、現時点でまだ明確になっていないので、このまま続けます。
読まれるnoteのポイント
1 本文
2 タイトル
3 背景画像
1 本文
冒頭にリード文を作ろう。水野さんは「まとめたほうがいいです。結論を最初の一段落に書くのがおすすめです」と話しました。
リード文というのは新聞では「前文」といいます。新聞記事も「初行ズバリ。前文から逆三角形で書け」を教えられました。同じですね。
なぜこうするのか。水野さんは「SNSのスピード感の中でお客さんをつかまえやすい。シェアされる際も記事の冒頭に出るのでわかりやすく伝わる」といいます。
ほかにも改行して一つのセンテンス(文節)を短くする。それによって読みやすくするーーなど新聞社で教わったことと同じ話が出てきました。これまでの経験が完全には無駄にならなくてよかった!
2 タイトル
文章に何が書いてあるかを短い言葉にまとめます。水野さんがおすすめするのは「15~25文字」。ツイッターでは25文字までしか表示されません。
具体性とキーワードを加えようとのアドバイスも。
新聞では記事のタイトルを「見出し」といいます。新聞記事の場合、見出しは整理部という専門の担当がつけてくれます。記者も見出し案をつけますが、なかにはいい加減なものも。ネットでいち早くニュースを流すことが求められているなか、そんなことは許されなくなっており、急ピッチで変わってはいますが。
誇大な表現はあまり受け入れられない。「noteではお客さんを呼びこんでもいいことがない。丁寧に書いてお客さんの信頼を得るほうが大事」と水野さんは訴えます。
3 背景画像
内容にあった画像を使う。noteにある「みんなのフォトギャラリー」の利用法も紹介しました。やはり写真がついているとツイッターなどで読まれやすい。写真の重要性を改めて認識しました。
続いてnoteの有力投稿者の紹介や機能の使い方の紹介がありました。1時間ほどの勉強会ですが、書くことが初めての人にとってとても親切な内容でした。とにかく、水野さんの話がわかりやすい。今後、中・上級者向けの勉強会もあるとのこと。楽しみです。
《勉強会を終えて》
若い世代はニュースを読むよりも、「見る」という感覚にシフトしているような気がします。ネットの大海のなかであふれる数多くの情報、記事の中で読者の目に留まり読んでもらうには、やはり「読まれる」を意識した書き方が必要なんですね。
新聞記事の場合、「読まれる」よりも「わかりやすい」ことが優先順位が上です。とにかく5W1Hで記事を書くように叩き込まれます。Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の構成で書かなければなりません。読者に迅速にかつ、正確にニュースを届けなければならない。記事ばかりに目がいってタイトルや写真のことは二の次になりがちです。
でも、これだけでは「読まれない」。新聞離れが進んでいる今、「読まれる」重要さを改めて認識しました。大変、勉強になりました。
参加者の真剣な表情も印象的で、終了後の質疑応答も予定の時間を20分以上オーバーし、いろんな質問が出ました。「記事の適正な分量はあるのでしょうか」との質問に、水野さんは「800~1000文字くらい。でも何文字でもいいです」と答えていました。すみません。この記事は2600文字を超えました。
書き手を養成する→noteのコンテンツ充実につながる。書き手側にも自分のコンテンツが大勢の人に読んでもらえ出版のチャンスも広がる。書いて表現することが他人の考えや行動にも影響を及ぼすのを想像するだけも楽しい。
ある人が提起した問題を解決するにはどのようにすればいいか。コンテンツが集まる場所でみんなが考え、議論する。社会の健全な発展にもつながるのではないでしょうか。
おっと、いけない。記者色の強い書き方になってしまいました。まずはみなさん、書くことを楽しんではいかがでしょう。
すべては書くことから始まります。
宣伝
「#COMEMO」がついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、良い投稿についてはご紹介させていただきます。 日本経済新聞電子版で紹介されることもあります。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?