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営業経験ゼロで、Web制作の新規営業をしてみた結果、全然成果がでなかった営業方法と、どうやって仕事を取ることができたのか。

Web制作会社には、営業マンという完全に営業をするポストは設けていない会社が多いです。
Web制作というのは、「完成したものを売る」というビジネスではないので、それなりに企画・提案力がないとなかなか仕事に結びつきません。
ただ単に作れるというだけでなく、コミュニケーション能力や信頼などの要素もありますので、仕事を取るにしてもそれなりに、制作の知識と経験がないと営業はできません。

営業マンのいない制作会社で、誰が営業するかというと、顧客の窓口となるディレクターが、営業を兼ねている場合が多いです。ディレクターは新規営業というよりは、すでに付き合いのある企業の他部署を紹介してもらう、など顧客の横展開がメインです。

では、まったく新規にWeb制作の仕事を取りたい場合、どうすれば良いのでしょうか?というか、みんなどうしているんだろう、と思ったことはないでしょうか?

これは、制作畑でがっつりプログラミングをやってきて、営業経験ゼロの私自身が、実際にやってみた営業活動の結果報告です。
成果が出なかった原因としては、「やり方がまずかった」というところは大きいことは分かっていますが、実際に営業未経験者が営業するとこんな感じ、みたいに捉えて読んでもらいたいです。

失敗談が続きますが、最後にどうやって仕事をいただいて、現在も食べていけているのかについても書いていますので、Web制作業界でこれから起業を検討されている方の参考になればと思います。

アポなし飛び込み営業。

営業と言ったらわたしのイメージでこれ。
お前らは俺が食わす!くらいの勢いで、アポなし飛び込み営業を決行しました。もちろん、誰の意見も聞かず飛び出しました。

東京23区や神奈川県の横浜を中心に、GoogleMapに広告代理店などを調べてポイントし、自分用に営業マップを作成、これを見ながら飛び込み営業をかけるのです。

飛び込んで何をする予定だったかというと、自社の制作実績(受注実績ではなく自作自演のサイトサンプル)を持って、自分たちがどんなことを出来て、どこが強みなのかをアピールするのです。

当然、知らない会社なので、誰に対して訪問すれば良いか分かりません。
ですので、「制作担当者の方をお願いします」と言うしかないのですが、大体ここで断られます。

そういう場合は受け付けの方に、資料だけを渡して、次の会社へ急ぎます。

結果として、50~60社くらい飛び込んでみたのですが、説明をさせてくれる会社はありませんでした。

あの不審者をみるような目、犬や猫を追い払うかのように手で追い払われる、など人間以下のような扱いを受けることも多々あるので、メンタルが弱い人やプライドが高い人は難しいと思います。

当時は3人で制作している会社でしたので、わたしもプログラミングなどをしなければならず、営業でぐるぐると回っている時間がもったいなので、やめました。

今思うと、テレアポからの訪問にしておけば良かったのかも知れませんね。

ポスティング。

会社や飲食店などに「ホームページ作ります!」というチラシを作ってばらまきました。ポスティングというやつです。

ポスティング会社に依頼する、という選択肢も考えましたが、これも自分でやりました。創業時はカラープリンターもないような状態で、チラシのプリントは安い印刷会社に頼みました。

先述の飛び込み営業で訪問している際に、移動中はオフィスビルや飲食店などのポストに、とにかくチラシを撒いて回るのです。

ポスティング用のチラシと飛び込み営業用の資料で、カバンはパンパン、スーツに革靴で歩いていたので、ふくらはぎもパンパンでした。

足を棒にして歩き回ったのに、何日経っても問い合わせの電話もならず、結果はゼロ。
結果を報告したら、「だと思ったよ」なんて言われる始末で、二度とポスティングはしないと誓いました。

後になって他業種の方に聞いた話だと、ポスティングは本当に何千という数をしつこく撒かないと駄目みたいで、それも不動産売買などの話で、Webサイト制作など、ニーズの少ない事業の場合はかなり厳しい、とのこと。

身をもって実感しました。

メール便でダイレクトメール(DM)の配信。

飲食店にはWebサイトを持っていないお店も多いので、飲食店向けに営業をかけようということで、今度はDMの配信です。

あえて紙のチラシをメール便で送ろうと思ったのは、飲食店の方はそんなにメールを細かくチェックしていない、と思ったからです。
現に、飲食店のWebサイトを作った際は、メールで連絡してもみておらず、やり取りは電話や実際に会ってのことが多かったのです。

紙であれば、手に取って見て貰えるだろう、という予測を立てて実行に移しました。

食べログで関東の飲食店のリストアップし、Webサイトを持っていない飲食店、または自作したと思われるようなサイトを公開している飲食店に対して、メール便でDMを送るのです。

紙で送るDMは、封筒に詰めたり宛先を貼ったりといった作業もバカになりません。社員総出でそれなりに時間をかけてやりました。

売り込みとしては、送り先の飲食店のWebサイトを実際に作って、もし気に入ってもらえたら、要望を多少取り入れつつ、すぐにWebサイトを公開できます、みたいな感じで早い安い!を売りにしてみました。

実際にそのお店のサイトを作ってしまえば、欲しくなる方もいるのではないか、と思ったわけです。

しかし、サンプルサイトのアクセス解析を取っていたのですが、配ったDMに対して、サイトを訪問したのは1%程度でした。
この時は60通くらい送って、店ごとにデザインを作るのもしんどいのと、それに見合った成果が出ないので止めました。

もちろん、成果はゼロです。

FAXによるダイレクトメール(DM)の配信。

不動産会社など、FAXをいまだに多用している会社に対して、「御社のホームページ作ります!」というDMをFAXで送りました。

200通くらいは送ったと記憶していますが、反響がないどころか、クレームの電話がくる始末。
「いらないDMを印刷するのに印刷用紙が無駄になった!今から紙代持ってこい!」なんて怒鳴られなじられ、最後は「社長だせ!」で終わりました。

仕事が取れないどころか、怒られただけでした。

メールによるダイレクトメール(DM)の配信

今後は、自社で作ったサービスやツールを売り込むために、問い合わせフォームなどから営業のメールを送ります。
これは制作関係の営業でやっている人も多いです。

私自身は営業メールをもらっても、無視して気にも留めないのですが、中には猛烈にクレームの返信をしてくる人もいます。

「お客さまに向けた問い合わせフォームからDMを送ってくるとは何事だ!そんな奴らには絶対に仕事は発注しないぞ!」という返信メールをわざわざ送って来られる方もいました。

たしかに「自社への仕事の依頼かと思ったら、営業かよ!」みたいな気持ちになるのは分かります。
問い合わせフォームからの営業メール送信には、かなり否定的な方も多いのは分かりますが、仕事を取るためにはダメもとで何でもやってみるしかなかったのです。

DMでは唯一、メールのDMには反応がある。

色々なDM配信をやりましたが、メールでのDMは意外と反応があるのです。

主に自社で作ったWebツールやサービスの宣伝にメール配信を使っていたのですが、クレームだけでなく、「面白そうだからちょっと話を聞いてみたい」などの連絡は必ずありました。
ただ、ちょっとした暇つぶしに話を聞くような方も多く、こういう機能があったら、こう作り直せたら買うのに、みたいな話をされて、結局発注に結びつきませんでした。

本当に購入意思のあるお客さまは、向こうから問い合わせが来ることの方が多いです。
今思うのは、DM配信を頑張るのであれば、オウンドメディアを作るなどに集中した方が良いかもしれません。

ブログ運営などをしていると、そこから興味を持って問い合わせをしてきてくださるお客さまは多いです。

お仕事マッチングサービスで見積りを出しまくる。

今はサービスを終了してしまったのですが、「楽天ビジネス」という有料のお仕事マッチングサービスがありました。

発注を検討している人が、相見積を取るために依頼を出すと、一斉に登録している制作会社が飛びつく、みたいなサービスです。
最近のクラウドソーシングサービスに近いものはあります。

マッチングサービスは個人事業主なども参加しており、自分たちで決めた単価ではまったく価格競争に勝てず、なかなか仕事になりませんでした。
中には、「ちょっと話を聞いてみたかっただけ」「費用感を知りたかっただけ」など発注意思がかなり薄い方も多くいました。

結果として結構見積りを送ったのですが、受注できたのは1件だけ。
それもデザインを出した後に音信不通。
作った分だけはなんとか費用を回収しようと、何とか連絡を取って、やっとの思いで費用を回収できた、というオチでした。

安い単価でもと割り切って仕事を取りに行けば良かったのかもしれませんが、自分一人だけではなく、いきなり社員もいたのでなかなか金額との折り合いが付けられなかったのが、敗因だったのかと思います。

勉強会などに参加する。

Web系の勉強会やセミナーに参加して人脈をつくり、そこから仕事を貰っている人は多いようです。
それ系の集まりに行くと、最後の懇親会にだけ来ているような人も多くいます。中には露骨に営業マンも来ていたりします。

実際に2~3の勉強会に参加してみましたが、営業がどうこうというよりは、同業者の方と話すのは楽しかったです。制作者にとってみると、同じ制作者と話すのはモチベーションも上がりますし、なにより刺激になります。

人見知りなのであまり参加しませんでしたが、グループディスカッションで知り合った方からは一度見積りの打診がありました。

こまめに足を運んでいれば、同業者から仕事をふっていただけるよう機会は、あるではないかと思います。
少なくとも飛び込み営業よりはましだと思います。

余談ですが、出版関係の方も勉強会やセミナーには出入りしているらしく、技術書を書いて貰える著者を探しているそうです。実際に勉強会で登壇しているような方は、技術書を書いたりしているので、興味ある方は積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

では、どうやって仕事が取れたのか?

何をやっても駄目だったという話を書いてきましたが、仕事がなければ会社は潰れます。偉そうにnoteを書いている場合ではないはずですが、おかげさまでお仕事はいただけております。

では、どうやって仕事をいただいてきたかというと、以下の4つです。

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