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人事歴3年 心の拠り所となった書籍5選
この記事は「HR Community ひつじんじ Advent Calendar 2024」の5日目の記事です!
4日目のしーたさんの「良い面も悪い面もひっくるめて自社が好き」という自社愛溢れる投稿がとても素敵でした!そのような人事担当がいる会社は間違いなく魅力的ですよね😊
はじめに
私は国内通信キャリアから2年前にスピンオフしたソフトウェア開発会社で人事を担当しております。会社を設立する際にエンジニアリングマネージャから人事にジョブチェンジし、人事制度全般の策定(就業規則、等級制度、賃金設計、評価制度、福利厚生など)や人事組織の立ち上げを行い、プレイングマネージャとして採用活動、人財育成、組織開発まで幅広く担当しております。
マネージャとして人事業務の一部に関わることはあったものの、人事機能立ち上げの任務を担うには専門知識が極めて不足しており、実務と学びを繰り返す日々を過ごしてきました。その過程で人事領域に関連する書籍を読み漁りましたが、今回はその中で心の拠り所となった珠玉の5冊に絞ってご紹介したいと思います。(その他にも多数の良書に出会うことが出来たので絞り切るのが大変でした😅)
ひつじんじとの出会い
私が人事オンラインコミュニティ「ひつじんじ」のメンバーになったのは今年の10月です。実はその少し前に同じく人事コミュニティの「人事図書館」の会員になっており、その2つのコミュニティの合同イベントで「ひつじんじ」のことを知りました。
そのイベントでは採用に関するテーマで参加者の方々とお話させて頂いたのですが、皆さまとても温かく情熱を持って採用業務に向き合っているのがとても印象的でした。
そして何よりコミュニティ運営に携わっていらっしゃる大西さんの懐の広さと親しみやすさがこの良い雰囲気を作っているんだろうなと感じました。(初日から一緒に食べた牛タン&ビールが最高に美味しかったです🍻)
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ゼロから人事制度を策定せよ
冒頭でも触れましたが私はこれまでのキャリアで人事というものを経験したことがありませんでした。それがある日「ゼロから人事制度を策定せよ」というミッションを担わせていただくことになりました。
おそらく長年人事領域でキャリアを積まれた方であってもゼロから人事制度を(好きなように)策定した経験をお持ちの方は多くないのではないかと思います。
エンジニアリングマネージャをしながらもずっと人事業務に憧憬を抱いていた私としてはこれ以上ないワクワクと「日本一のエンジニア会社となるための人事制度・組織を作る!」と心に誓ったことを今でも覚えています。(このようなチャンスを与えて頂いた会社には感謝しかありません🙇)
では早速書籍の紹介に入りたいと思います!
珠玉のおすすめ書籍5選
1. 経営者が知っておくべき ジョブ型雇用のすべて
ジョブ型に関する書籍はたくさん読みましたが、その中でも最初に読んだこの書籍が一番記憶に残っています。当時、「ジョブ型ってジョブディスクリプションがあって職種ごとに採用するアレですよね」くらいの認識しかなかった私にとってはとても参考になりました。
日本国内に従来からある「メンバーシップ型雇用」と対比して位置付けられるのが「ジョブ型雇用」ですが、ジョブ型雇用に対する解釈は非常に多岐にわたります。「専門性に重きを置いた採用の仕組み」という単純な話ではなく、等級制度、評価制度、賃金設計に至るまでジョブ型とメンバーシップ型はスタート地点が全く異なります。この”人事マンとしての常識”をこの書籍から学ぶことが出来ました。ジョブ型雇用を解像度高く理解したい方にオススメです。
2. 採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの
次にオススメするのは10年以上前に発刊された「採用基準」です。
上述のジョブ型に関する書籍も数多く出版されておりますが、「採用」に関する書籍はそれ以上だと思います。人を選ぶことの重要性は誰しも理解いただけることだと思いますが、「採用」がいかに難しいかを書籍の多さが物語っている気がします。
この「採用基準」では採用すべき社員像を「リーダーシップ」にフォーカスして語っています。どんなに専門性を持っていたとしても、人柄が良かったとしても、リーダーシップを有していなければ真に会社の求める人材にはなり得ないという考え方にとても共感しました。採用はもとより、等級定義や評価制度を策定するフェーズにおいても非常に参考になる書籍だと思います。
3. 理念経営2.0 会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ
少し毛色の異なる本をご紹介します。
新たな会社を立ち上げる際にはMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)が大切だという話は鉄板かと思います。
この本の主張は、副題でもある「一方的に浸透させる社長の誓い(理念経営1.0)から、問いかけて触発するみんなの物語へ(理念経営2.0)」が端的に表していると思います。当たり前のことかもしれませんが、我々は単にトップダウンで与えられたパーパスに共感して行動するのではなく、自らの内面から湧き出てくるような情熱によってこそ動かされるのだと思います。その情熱を会社の駆動力の源泉に据えていくこと、それはまさに経営としての仕事だと感じました。(とても難易度の高いことだと思います)
4. 人事で一番大切なこと 採用・育成・評価の軸となる「人事ポリシー」の決め方・使い方
こちらは人事制度策定後に出会った本ですが、もっと早く出会っていたかった本としてご紹介しておきます。人事制度には採用・育成・評価など様々な観点がありますが、それらは全て1つの「人事ポリシー」で貫かれていることが何よりも大切です。大企業になると採用部門・人材育成部門・労務管理部門が別組織になっている例もあるでしょう。個々の施策だけを見て個別最適を行っていると全体として整合性の取れていないメッセージ性のない人事制度が出来上がってしまうこともあるかと思います。この本ではその整合性の取り方を丁寧に解説してくれているのですが、最も心に響いたのは「人事部門にポリシーはあるか?」という問いです。これは人事部門を預かる身としてハッとさせられました。私自身のこれからの人事キャリアで最も大切にしたい言葉かもしれません。
5. 戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ
こちらも発行から10年以上経過する本ですが、人事部門の在り方を再考するにとても良い示唆を頂けました。人事部門に必要なこととして思い浮かべるものに何があるでしょうか?
デイビッド・ウルリッチ教授が「MBAの人材戦略」で取り上げた4つの機能(①戦略のパートナー、②変革のエージェント、③管理のエキスパート、④従業員のチャンピオン)を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
著書の八木洋介さんは講演で「人事部門の役割は企業を勝ちに導くこと」と仰っていました。「勝つ」の定義は企業ごとに様々だと思いますが、その企業としての目的に一心不乱に突き進むこと、そのために”人”の側面から何が出来るのかを問う経営者としての姿勢はとても力強く感銘を受けました。
なぜ本から学ぶのか?
人生100年時代と言いますが、1人1人の人事パーソンが経験できることには限りがあります。多様な働き方が進む現在において、人事の役割は加速度的に広がっていくものだと思います。すべての経験を1人では出来なくとも数多くの先人や仲間が経験したことを実践知として譲り受けるために書籍は貴重な役割を果たしてくれると思います。
ひつじんじをはじめとした人事コミュニティも同様だと思います。
人事を志す皆さまと共に叡智を結集して、もっと働きやすい、働きがいのある社会を創っていくことが私の願いです。
If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.
最後までお読み頂き誠にありがとうございました!
さて、明日のひつじんじアドベントカレンダーは上原恵美さん(えみまるさん)です!とても温かくポジティブなえみまるさんがどんな投稿をしてくださるのか私も楽しみにしております!