ここはサブカルショップの殿堂なのか─。今回も、私の行く店オモロイ店♪
乱雑な本屋が好きである。
なにやらお宝がありそうな妄想が膨らむからだ。
でも見ているうちに埃にやられてゴホゴホし、本を触っては手が汚れ、必要以上に疲れて店から退散することだってある。
うへーっ 清潔な店に行きてぇ
そんな虚しい思いに苛まれたら、うっぷん晴らしだ。
本や漫画好きの友人にちょっと愚痴ると、こんなことを言われた。
「じゃあ駿河屋の本店に行ってみれば? 価値感が変わるよ」
駿河屋というのは、ラノベから一般小説、漫画、映像や音楽ディスク、ゲームやフィギュア等々を扱うサブカルコンテンツの中古ショップ。
しかも私、仕事で『駿河屋の歩き方』という駿河屋公式ファンブックに記事執筆させていただいている(記事の最後でお仕事初紹介)。
駿河屋の魅力は知っているつもりだけれど、静岡の本店は未体験。アキバや池袋店は何度も足を運んでいるけれど。
これはひとつ、確かめるしかないだろうな。
というわけで、いざ静岡へ。
では皆さん、ぜひご一緒に!
★本店駿河屋ビルめぐり、スタート
大っきい! 明るい!
まるで池袋のアニメイトみたい。でもマニアックな雰囲気は払拭されている。
普通の親子連れや学生、ご夫婦なんかが、飲食店に入るみたいに気軽に入店。あまりにも普通の客層……。
品揃えの豊富さは言うこと無しだ。
どれもこれもめちゃくちゃ綺麗。
こんな感じのフロアが4階まである。
なるほど。
ここは遊びの、サブカルチャーのデパートなんだ。
中古品だけでなく新品もあるのが駿河屋の特徴。
鉄道模型なんか、Nゲージとサイズの大きいHOゲージの巨大ジオラマがあったり、ミリタリー系のコーナーにはシューティングスペースまである。見るだけじゃなく、体験までできる贅沢さ。
で、マニアを唸らせる商品群の多さにも脱帽。
これは自分の趣味以外の商品を見ても昂揚するな。
1階のBlu-rayとDVDのコーナーでこんなものを見つけた。
駿河屋をネット通販だけで利用している人は多いと思う。
でもこれだけの量を見て、確認して買えるお店があるのは素晴らしいではないか。
この本店駿河屋ビルだけで総商品点数2,000万点以上の品揃えだとか。ふーっ
▲駿河屋のネット通販サイト
★垂涎の高額商品
中古品は安く買えて嬉しいのだけれど、プレミアがつくような価値になっている商品もある。高額商品はガラスケースの中にあり、眺めるだけでも時間が足りない。
これらの値付けをしている駿河屋の鑑定士さんたちの裏話が楽しめるYouTube動画が、毎週水・金に配信されている。
5月に始まったばかりなので、まだ知らない人も多いみたい。
(YouTubeは記事最後に紹介している『駿河屋の歩き方』本の特集に連動)
▲YouTube 駿河屋の歩き方チャンネルより 第1回目「ゲーム鑑定士の世界」
駿河屋の本店は2軒ある。もう1軒は、本店駿河屋ビルのすぐ近くにある本店 紺屋町店だ。
音楽・映画雑誌関連の棚を発見。ロードショーとミュージックマガジン、レココレがズラーっと綺麗に並んでいて悲鳴あげそう。
ミュージックマガジン、110円だもの。買うしかない。美本だし安いし言うことなしだ。
★価値感が変わってしまった……
本店駿河屋ビルも紺屋町本店も、いくら時間があっも足りないくらいに堪能した。
品揃え、店内の清潔さと整然さ、商品のきれいさ。
これだけでも満足だが、とにかくキュレーションがいい。
商品の組みあわせ方や陳列方法など、展示やPOPも含め、いちいち心がくすぐられる。とにかく楽しい。
店内を回遊していると、自分の心を震わせるコンテンツがあちこちから見つかる。
1冊の本や映像ディスクから懐かしい時間も甦る。
もはや中古品か新品かなんて意識はまるでない。
お店が遊べる場所と化しているのだ。
ここで買うのは商品と感動とワクワクの時間。
価値感が変わるとは、このことだろうか……。
2軒の駿河屋静岡本店めぐりは、これでおしまい。
感動がいっぱい詰まった、これまで見たことのない種類のお店だった。
たぶん、また行くだろうな。
今度は静岡名物《接客が素晴らしいハンバーグのお店「さわやか」》にも行きたいし。
では最後に、私も執筆している『駿河屋の歩き方』を少し紹介して記事を締めよう。
★『駿河屋の歩き方』は、サブカルが楽しめる本
駿河屋公式ファンブック『駿河屋の歩き方』には、駿河屋で扱う商品やお店のことなどが書かれている。5月10日に発売されたばかり。
1,000円の本に、1,000円のクーポンがついている。太っ腹だ。
メイン特集は、駿河屋が扱う高額商品についての記事(*私は書いていない)。
鑑定士たちが何に注目し、どんな意図で値付けをしているかが商品のジャンルごとに語られている(YouTubeも連動)。
誌面を少し紹介しよう。
立ち読み感覚で楽しんでいただきたい。
発売当時の価格と、駿河屋で買取をした際の価格が載っている。
中には驚くばかりの、本当にお宝といえる商品もある。
さて、僭越ながらタカミハルカが担当したのは、『駿河屋の歩き方』巻末特集ページである。
この特集では「駿河屋とコラボ展開する書店」を紹介している。
書店応援ということで、初めてタカミハルカ名義で仕事をしてみた。
だってnoteでこんなに書店を応援しているのだから、そこはやはり“タカミハルカ”で書いてみたいということで。
インタビューで伺った“本をIPコンテンツ(知的財産)と捉えて書店を変える”考え方が興味深く、面白かった。その仕掛けで今、経営不振に陥っていた書店がどんどん元気を取り戻している。
また、駿河屋を運営する株式会社エーツー社長の取り組みには、涙が出そうになった。
駿河屋は歴史の中に埋もれてきた山のようなサブカルコンテンツをデータベース化し、巨大なアーカイブライブラリーを作っているのだ。
社長の「中古アイテムは、郷愁と自分の物語を呼び覚ます重要なアイテム」という考え方に、私もひどく共感した。
買取の本やゲーム、映像や音楽ディスクなどが駿河屋に持ち込まれると、品番がつけれらて甦る。それらはすべてデータ化され、ずっとアクティブな状態になる。
私たちはただ、駿河屋のデータベースでコンテンツを探せばいい。あるいはお店で商品を探せばいい。そうすると自分が求めるあの時代、あの時間が甦るのだ。
ご興味のある方は、『駿河屋の歩き方』の記事をお読みくだされば幸いである。
noteでも折に触れ、私の考えを織り交ぜながらきちんとまとめていきたいと思っている。
(記事掲載の店内写真、書籍誌面について)
★記事内で紹介した駿河屋店内の写真は、「店内写真撮影OK」のため掲載しました。
★『駿河屋の歩き方』誌面ページ紹介については、発行元の飛鳥出版の許可を得て掲載しています。