【インデックス最強?】 感想:『ウォール街のランダム・ウォーカー』 バートン・マルキール
まとめ
私にとって、この本での重要な部分を簡単にまとめると
市場の平均=インデックスを常に上回るのは通常困難だ。
投資の原則は広い分散と長期。
それを容易に実現できるのがインデックス投資だ。
ということです。
本を読んだ動機
有名な本です。投資をするなら、推薦図書としてよく挙げられています。図書館で予約してようやく手にすることができました。基本的にはインデックス投資を推奨する本のはずです。どんな裏付けがあるのでしょうか。
感想
インデックスがいかに優れた方法であるか、その結論を著者は
と述べています。だから市場の平均を取りに行くインデックスが適切なのだと。私も賛成です。というかそうあって欲しい!なぜなら自分で能動的に投資してお金を増やすのはとても大変だからです。批判的にみると、私は自分自身の意見を補強する本ばかり探している、と言えなくもないですが、やはりプロの運用が必ずしも最善とは言えないようです。それは、次の文章に表れています。
ちなみに、2021年までの20年の平均年利は、S&P 500は9.68%, 株式投資信託平均は8.70%だったそうです。いやいや、市場に勝てる10%のファンドを探せばいい、と思うかもしれませんが、それを探しあてるのは大変です。そして、仮にちょっと平均に勝てたとしても、手数料で負けてしまいます。オルカンの信託報酬は0.05775%、これに対してアクティブファンドの信託報酬は1.5-3%とかになるわけです。となれば、分が悪いのはどちらか一目瞭然ですね。
本書では、いくつかある株式投資の理論も明確に否定しています。主な取引手法として、チャートから予想するテクニカル分析、企業の業績などから予想するファンダメンタル分析があります。私は個別株をやってたときに、どちらの方法もかじってみました。テクニカル分析は面白いなと思っていたのですが、著者も同じように思っていたみたいです。
あぁ、そうですか。。チャート分析の本を読んでいるとすごく使えそうな気がするんですよね。でも実際に今のチャートが、明日あるいは長期にわたってどっちに振れるかは全く予想できないんですよね。過去のチャートだと、簡単にこのとき買って、このとき売れば、と言えますが、オンタイムでは難しいです。
そしてファンダメンタル分析についても
と切り捨てています。業績の分析って、私もちょっとやってみたら大変なんですよ。決算報告書に目を通して、株探などで時系列をチェックして。そもそもどの企業の業績を分析してみようか、ってところからものすごく悩みます。もしこのファンダメンタル分析が推奨されていたら、私は面倒臭すぎてやってられない!と思っていたので助かりました。
投資では分散がキーワードとしてよく挙げられます。ですが、どのくらいの銘柄に散らせばよいのでしょうか?本書では、よく分散された30銘柄でほとんど問題なく、60まで増やせばリスクがほぼなくなる、と書かれていました。30個も選ぶの大変なんですけど。。そして60なんてもっと大変です。選んで終了ではないので、その後の管理も面倒くさそうです。私のように投資に情熱のない人は、30も銘柄を選定するだけの労力を費やせません。しかも、それらの銘柄は投資対象として適格である必要もありそうですし、「よく分散」しないといけない。はっきり言ってやってられない、としか。。
ですが、インデックス投資なら、たくさんの銘柄が勝手に組み込まれます。オルカンは2,700を超える銘柄です。さらに国も違う。究極の分散投資ですね。そこまで分散する必要があるのかは疑問はあります。非効率だという批判もあるみたいですね。しかしながら、とにかく楽!という魅力には抗えません。そして、どうやらその楽な投資方針に抗わなくてもいいみたいですね。そんなことを教えてくれるのが本書でした。
おわりに
私はオルカンの積立を淡々と続けます。
これが正解かどうかは誰にもわかりませんけどね。
読んで頂き誠にありがとうございました。
髙草木
基本情報
リンク:ウォール街のランダム・ウォーカー
入手場所:図書館
読み始めた日:2024年7月22日
備考:読書ノート12冊目