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【お金持ちとは、お金を上手に持てる人】 感想:『となりの億万長者』 トマス・J・スタンリー, ウィリアム・D・ダンコ

はじめに

私にとって、この本での重要な部分を簡単にまとめると

収入の多寡が資産を決める訳ではない。
支出管理と貯蓄がお金持ちになる秘訣だ。


ということです。


感想

私が前職を退職する時に、部長の先生から頂いた本です。
お金の話をしたい、と前に話した記憶があります。
覚えててくれたんですね、ありがたい限りです。
そういえば、他の人に本をもらう経験は初めてなんじゃないかな。
どんな本なのか。楽しみです。

読んでいくとね、いい本なんですよ。
感想が長くなりそうな予感。。。


さて、この本の肝はここです。

「資産」は「所得」と同じではない。どうしらた金持ちになれるか。
(中略)
幸運、遺産、高学歴、頭の良さが条件なのではない。勤勉、我慢、計画性などのライフスタイルから、資産は形作られていくのだ。そして自分を律する強い精神力を持つこと、これが何よりも重要なのだ。

となりの億万長者

この記述からわかるように、お金持ちになる方法は、収入や運用よりも、資産形成のためのライフスタイルの確立と維持が重要になりそうです。
どうしても資産を築くことを考えると、収入アップ!運用!と攻めの姿勢に傾きがちです。
もちろんそれは必要なのですが、同時に支出をコントロールすることの重要性も説いています。


気になる指標が出ていました。
それは「期待資産額」です。

期待資産額=(年齢×税引き前の年間家計所得÷10)-遺産相続学

となりの億万長者

自分の資産が、期待資産額の2倍以上なら蓄財優等生。
自分の資産が、期待資産額の1/2以下なら蓄財劣等生。

だそうですよ。

たとえば40歳の医者の年収を1500万とします。
期待資産額は 40×1500万÷10 = 6,000万です。

ぐぬぬ。。
これはかなり厳しい数字では・・・

劣等生になっちゃう方も多いんじゃないでしょうか?
私?
さすがにここでは言えません笑

あ、でもどうやら、医者は仮に蓄財劣等生でも仕方ないみたいです。

医者に金持ちは少ない。
高額所得者を職業別に分析すると、蓄財レベルが一番低いのは医者になる。

となりの億万長者

とはっきり書かれていました。
理由は、資産運用のスタートが遅く、奨学金や開業などで借金もあったりします。
そして何より世間体を気にするから、ですって。
うーん。
医者になったら外車でしょ!とか思っていた私には耳の痛いこと、、

とはいえ、この文章は私の書いている本に使えそうです。
いただき!


では、蓄財優等生になるためにすべきことは何か?

その第一歩は、倹約である、としています。

最近の私の課題は支出管理だと考えていますから、全くその通りだと思いました。
ただ倹約って難しいこともあるんですよね。
本書では「生活改善の固い決意」などと書いてあったりします。

それだけだと大変なので、個人の支出で大きな割合を占める家や車についても書かれています。
車の買い方も丸々1章を使うという徹底ぶり。
そして、私が考えているよりも厳しい条件が家や車には課せられます。

住宅ローンの目安は年間の手取りの2倍以内。
これは現実的には無理があるのでは?と思います。
ただそれだけ大きい支出なので、これだけ住宅費用をコントロールできたなら支出管理はずいぶん楽になると思います。
住宅ローンは年収の7-8年くらいまで、などと巷では言われたりするので大きな隔たりがありますね。
手取り2年以内とはいかないまでも、できるだけ住宅ローンは抑えたいところです。
とはいえ、私はすでに住宅ローンを背負っているからな・・

車も、アメリカのミリオネアの新車購入価格は2.5万ドル、アメリカ全体の新車平均購入価格2.1万ドルの1.2倍以下です。
医者なら外車!とか思っていると絶対に達成できません。

日本の新車平均価格を調べましたが、適切な資料を発見できませんでした。
200万円くらい?とすれば240万円くらいまでが適正です。
きっと300万円以下くらいが目安になるのでしょうね。
これは外車とか言ってる場合ではなさそうです。


では貯蓄の目標はどうでしょう?

とりあえず目標にしやすいのは「15%ルール」です。
月の手取りの15%を貯蓄に回す。

貯蓄率の目安はいろいろ言われていますが、10%から多くても30%くらいです。
15%の貯蓄率は十分達成できそうですね。



さて、この本の良いところは、自分たちのお金のことだけでなく、子どもへのお金の援助についても述べられているところです。

親が子供の生活の面倒を見れば見るほど、子供が(蓄財)劣等生になる傾向はある。

となりの億万長者

経済的援助を与えれば与えるほど子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど資産を築くようになる。

となりの億万長者

これに対して私はどうすればよいのでしょう。
大丈夫です。10か条のヒントが示されていましたよ。
私は子どもと一緒にお金の勉強をしていきたいなと思っています。


そして子どもには「専門職+独立事務所」を筆者は勧めています。
事業ではないのは意外でした。
ですが、事業は環境や制度といった外的要因によってうまくいかないことがある、一方で頭脳やスキルは没収されないから、という記述をみて なるほどなぁ と思いました。


そして、収入については

リスクとは収入源が1つしかないこと

となりの億万長者

と書かれていました。
それもあって私は本を書いてみたりしているのかもしれません。


この本はお金の本だと思いきや、意外にも子どもの教育の話も書かれていて大満足でした。
さすが部長!



読了後の意識/行動の変化

お金持ちの考え方が変わりました。
お金をバンバン稼いで湯水のごとく使うのがお金持ちだと思っていました。
それはそれで確かにお金持ちだとは思います。

が、この本で言うお金持ちはちょっと違う。
きちんと支出を管理できて、お金と上手に付き合えて、お金に振り回されない生き方ができる人。
それがお金持ちなんだと思います。

本には書いていませんでしたけど、お金持ちは『お金を上手に持てる人』のことなのかなーと思いました。
「腹持ちがいい」的な意味の「お金持ち」。あると思います。


基本情報

リンク:となりの億万長者
入手場所:頂き物
読み始めた日:2024年5月20日
備考:読書ノート10冊目


おわりに

支出管理は資産形成の重要な要素です。
子どものお金の教育も考えたいなー。


読んで頂き誠にありがとうございました。

髙草木





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