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囚われた男。

まるで。

星新一か阿刀田高の小説のようなタイトルだが。笑

うちには男性のクライアント様も居る。

Shirts, Suits, Vest, Tie等々実はOrderでお造りしている。日本人のみならずLinkedinで見たアメリカや、フランス、ドイツ、HKなど実は結構”作りたい”と言って下さる方がおられる。

さて。クライアント様も実際にお会い出来る方、物理的にお会い出来ない方などおられるのだが。これは実際にお会い出来て一緒にDinnerをした方のお話。

その方は。50歳位?多分ご結婚なさっておられる。職業は自営。この時以外余りじっくりお話した事は無い。

ただ話すと何故だか私は話が深くなる。笑 深い事を打ち明けられ易い。

彼は”女性が怖い”と言った。 

何となく見てて、女性、と言うか対人苦手だろうな、、と思っていた。盾で自分を守ってる感じ。はちゃけられない、自分を落とす事が出来ない、そんな感じ。

話していくうちに。彼をそうさせる原因が出てきた。

中学生時代、ある女性に告白されたとの事。放課後に呼び出されて”好きです”と。当たり前だけど告白されたら誰だって嬉しいし、真剣に考える。彼も例外なくそうだった。ところが。

その告白自体が女の子達が仕組んだイタズラでヤラセだった。告白を真に受けた彼を女性達は”バーカ”と嘲笑った。そこから女性恐怖症が出てきたらしい。

それは確かに辛い経験。少なくとも嬉しくは無い。でも、彼は今50歳。そしてそれが有ったのはもう35年以上前。

え??ちょっと待ってよ。と私は言った。え?でも今結婚してるしそれ以前に付き合って来た人もいたでしょう?でもまだそこ引き摺ってるの?

そもそも。それは貴方がどうのこうの、って話じゃ無い。それを平気に普通にやれちゃうその女の子達が相当頭悪くて痛いだけで、その時のそのバカな子達の頭の悪い行動で受けた傷を大切に引き摺って、自分の大切な人生を楽しく無いモノにし続けるのか?

頭の悪い子達がしちゃった行動は貴方の責任では無い。単にその子達がアホなだけだ。と。

彼は鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていた。そして言った。

”そんな風に考えた事もなかった”と。”ずっと自分が悪かったんだと思ってた”と。

悪く無いですから! 絶対に。

実はこう言う人は多い。自分が悪いとかじゃ無いけど自分が悪かったと思い込んじゃう人。例えば振る、振られる、でもそう。優劣じゃない。ただその時のtimingやsituationでご縁が無かっただけなのだ。本当に。振った方が偉いとか惚れた方が負けだとか。そんなレベルで話をしてる事自体頭が悪すぎる。 小学生か?!と突っ込みたくなる。

過去に受けた傷はみんな持ってる。婚約者を事故で亡くした友人も何人か居る。6年間信じ続けた男性に妊娠した途端に捨てられた女性も知っている。

でもだからって。その辛い気持ちに、体験に人生を支配なんて絶対にさせないのだ。たった一度、もしくは数回の痛みでその先の人生全て否定から入ってしまっては、動けなくなってしまっては貴方の負けなのだ。

メチャクチャ辛い経験をしたけど、でも私は今の自分が好き。貴方が嫌いでも私は自分が好き。少なくとも、例え貴方は私をゴミ屑の様に扱ったとしても、私は貴方を全力で愛した。だから後悔は無い。位に言えたらいいじゃない。

傷なんて幾ら付いてもいいのだ。必ず癒えるのだから。

そして癒す力は、立ち直る強さは誰にでも絶対に備わっているのだから。


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