ザイム真理教


 森永卓郎著「ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト」を読みました。著者はテレビなどに頻繁に登場する経済アナリストです。

 「ザイム真理教」とは財務省と、財務省が論ずる財政均衡主義のこと。「信者8000万人」って何の事だろうと思いましたが、2021年の衆院選前に朝日新聞が行った世論調査で、「一時的にでも消費税を引き下げる方がよい」と回答したのが35%だったことから、残りの65%は消費税容認、つまりは財務省信者とのことで1億2000万人×65%=7800万人から来ているようです。ちょっと持っている上に、朝日新聞の世論調査ですからどうなんでしょう。本書の中にも、「マスコミは財務省のサポーター」と書いていますが、そのサポーターの調査に乗ってしまうのはどうなんでしょう。

 財政均衡主義とは、支出を収入で賄える程度に抑えることで、現在は国債を大量に発行している状態ですから、増税して収入を増やし、支出を控えて健全化するということでしょう。私も若いときはそう思っておりましたし、現在でも、商売に携わっていると、やっぱり支出が収入を超えてしまうというのは良いとは思えません。それでも、よく言われる国の借金論についておかしいと思っていたのは、まず国民の頭数で除して「1人頭〇〇円の借金」という論調と、「○○円借金があるが、国民の預貯金も○○円あるから大丈夫」という論調です。国民は政府の連帯保証人ではありません。

 しかしながら、会社と国は大きく違って、国債の所有者、つまりお金を貸しているのは日銀だったり、銀行だったり保険会社だったりと、貸しはがしてくるような相手ではありません。著者は、「日銀が国債を買って、それを満期が来るたびに借り換えて、永久に日銀が保有し続けたら、何が起きるだろうか。」と読者に問いかけます。まず永久に借り換えるのだから元本を返済する必要はなく、日銀に支払った国債の利息は、ごくわずかの日銀の経費相当分を差し引いて、国庫納付金として、ほぼ全額が政府に戻ってくるということでした。流石に永久に増え続けてもどうかと思うのですが、その副作用は「物価が上がる」、「国債が下がる」、「通貨の価値が下がる」とのことでした。つまりはインフレで良いのかな。極端なインフレに陥ることがないようにこの辺りをコントロールできるというお話もありました。



 つまりは「いつかえさなかった!?えいきゅうにかりておくだけだぞ。」というジャイアニズムで大丈夫ということなのでしょうか。このあたりを理解するにはわたしはまだまだ勉強不足です。

 ちょっと長くなりましたので、明日に続きます。

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