カナダからのリスタート
3年ぶりの海外遠征
6月下旬、大宅楓選手【大東建託パートナーズ】のHarry Jerome Track Classic2023への出場が内定し、2020年以来、3年振りの海外遠征に行くことになりました🇨🇦
半分出場は諦めていた今大会。WORLD ATHLETICS コンチネンタルツアーブロンズラベルの競技会ですから、出場したいと言って、出れる競技会ではありません。
しかしながら、一縷の望みを持って、吉報を待ち続けていました。この機会を逃したら、今後、こうしたチャンスは、二度と巡ってこないと思うと、居ても立っても居られませんでした。
3年間積み立ててきた貯金を下ろし、航空券を手配。期待と不安を抱えながら、日本を後にしました。
葛藤
大宅選手は、日本選手権前に、コロナに罹患し、日本選手権は、最下位と惨敗。冬季トレーニングが、順調だっただけに、悔やんでも悔やみきれない成績でした。
日本選手権後も、なかなか体調は上がって来ず、本調子には、程遠い状態。国内にもレースはあるので、遠征は取り止めにしようと何度も考えましたが、前向きに努力を続けている大宅選手を見ていて、色々と思うことがありました。
確実に、終わりが近づいてきている我々の挑戦。あの時、チャレンジしておけば良かったと、後悔するような終わり方だけはしたくない。
まだまだ選手として可能性のある大宅選手にとって、今回の遠征は、きっと財産になる、そう考えていました。
11年の月日を越えて
カナダの地を訪れるのは、実に11年振り。
11年前は、岸川朱里選手(当時)と共に、ハリファックス、モントリオールと転戦しました。
日本人女子初の800m1分台を目指して、世界中を転戦していたあの時代。蘇る記憶。ようやく、ようやく、この舞台に帰って来れたんだと思うと、胸がいっぱいになりました。
エージェント・佐藤さんへの想い
今回、エントリースタンダード記録は突破していたものの、ターゲットナンバーは、ギリギリで、出場は厳しい状態でしたが、大宅選手の代理人(エージェント)を務めて頂いている佐藤さんのご尽力があり、このような機会を頂きました。
佐藤さんは、長年、お仕事を一緒にやらせて頂いておりますが、誠実なお人柄と、常に選手ファースト、お金ではなく、陸上競技を愛してやまない、真心のサポートが、本当に素晴らしい方です。
いつも本当にありがとうございます。
これからも末永く宜しくお願い致します。
リスタート
50歳を契機に、残りの人生について、考えることが多くなりました。
昨年の父親の死に直面して、感じたことは、人生、何が起きても不思議ではないということ。
明日、人生が終わる可能性だって、ゼロではありません。
いい年齢ですから、他人に迷惑をかけたり、若い時のような無茶は慎むつもりですが、自分の気持ちに正直に生きようと思いました。
未だ捨てきれないオリンピック、日本代表、世界の舞台で戦いたいという思い。どんな形であれ、歩みを続けていれば、いつかきっとチャンスが訪れると信じています。
大宅選手は、今回のレースが、海外7戦目になりますが、最初の頃に比べると、随分と成長したなぁとしみじみ思います。
実業団チームの様に、予算がない分、自分たちで、できることは、自分たちでというのが、我々のポリシー。
もう私が帯同しなくても、充分一人でやっていけると思いますし、今回も、本当に心強い存在でした。
こうした舞台に連れてきてくれたこと、ただただ感謝です。これからも宜しくお願い致します。