Number 2: 岩間佳菜子先生(教科部長 / 数学科)にインタビュー
さて、第2回となるスキトクで輝く人を紹介するコーナーですが、今回は今年度から教科部長として頑張ってくれている岩間佳菜子先生に登場してもらいました。33歳2児の母親である佳菜子先生は、「かっこいいワーママ」を目指すと宣言しています。今回はそんな佳菜子先生の学生時代から現在とこれからについてインタビューしてみました。
特進らしくない生徒だと言われるのが嬉しかった。
-こんにちは。
はい、こんにちは。
-自己紹介から張り切ってどうぞ。
はい(笑)名前は岩間佳菜子、年齢は33歳。誕生日は1月17日で「いいなの日」になります。地元は御殿場市、御殿場西中学校卒で、御殿場西高校の卒業生にいなります。
-どんな学生だった?
すごい泣き虫でしたね。小学校の頃から毎日泣いていたような泣き虫で。給食を食べるのが遅くて、食が細かったんですよ。3者面談の時に担任の先生から、私がご飯が食べるのも遅いし、体も小さいから、運動をしてみたらどうかと勧められたことがきっかけで、バドミントンの「御殿場ジュニア」に入ることになったんです。そこから中学は卓球部でしたが、その傍でバドミントンを細々と続ける日々でした。
-なるほど。高校時代は?
御殿場西高校に通った理由は、一番は近いから。あと修学旅行がイタリアだったことも魅力的だったということもあって、御殿場西高校の特進コースに入りました。勉強と部活動の文武両道生活で、どちらも割と頑張っていたと思いますね。うるさい生徒だったと思います(笑)。よく先生に怒られていましたね。特進らしくない生徒だと。クラス全体が怒られていました。その中心にいたかもしれません。特進らしくないと先生たちに何度も言われましたが、そうやって言われるのが嬉しかったのを覚えています。
人前に立つのが好きだと思ったし、自分はこういうことが向いているんだと感じた
-何年目で何の先生ですか?
今年で12年目になります。免許は数学と情報を持っていて、今年度から教科部の部長をしています。
-先生に何でなろうと思ったの?
最初はアナウンサーになりたかったんですよ。
-あー、なんか前きいたことあるかも(笑)
人の前に立つのが好きだと思っていました。中学3年生の私の主張コンクールで最優秀賞を取ったんですが、話している時に「ゾーン」に入り「私ってイケてる」と感じたんです(笑)自分はこういうことが向いているんだと感じました。バドミントンも色んな人に注目されている時に、力を発揮できたこともありました。そして、数学は昔から好きでしたね。妹と弟が数学があまりできなかったので、教えていたらそれが楽しかったんです。中学3年のときの学年主任が数学の先生で、授業がとても楽しくて。自分も数学を教える仕事がしたいと思うようになったんです。
教員としても、一人の人間としても、一人ひとりを大切にしていきたいと思うようになった。
-この12年間で考え方や物の見方がどう変わった?
若い時(今も若いつもりだけど(笑))、時間は自分だけのもので好きに使えました。今では家族も子供もいるので、自分だけで自分の時間を使えなくなったことで、必然的に効率的な働き方や優先順位を考えるようになりました。今の方が上手に生きられているような気がします。
-いわゆるマネジメントするようになったんだろうね。
そう、それです。
-教員としては?
最初はやはり、教師ってこうあるべきって気持ちが強くて、生徒に対して強くいなくてはいけないと、生徒に舐められちゃいけないと思っていました。見た目的にも体が小さいので余計に。それが、子供を産んでから変わりました。生徒たちが大切に思えるようになり、それぞれが親に愛されていて、そんな子供たちが集まるのが学校で、教員としても、一人の人間としても、一人ひとりを大切にしていきたいと思うようになりました。親になったことが大きいのかもしれません。自分も自分の子供が大事だし、同じように生徒たちの親にとって大切な存在と思うようになりました。
今は、生徒側でホワイトボードを見る感じになり、立ち位置が変わった
-教科部長ということで授業の話をしましょうか。前と今とで授業のやり方も変わったと思うんだけど、どうですか?
そうですね。以前は、一斉授業オンリーで、自分は黒板のところで張り付いていました。今は、生徒側でホワイトボードを見る感じになり、立ち位置が変わりました。一斉授業もありますが、生徒と近い距離からアプローチするようになりましたね。
-それはなぜだろう?
物理的には黒板を昔ほど使わなくなったのもありますが、生徒と近い距離で行う活動が、授業内で配分が多いからだと思います。数学は難しい分野もあるので、個別で対応した方が良いケースも多く、生徒も納得感も高くなるので、やりやすいからこうなっているんだと思います。
-生徒との関係性も変わった?
昔は厳しい先生、近寄りがたい先生を演じる方が楽でした。でも今は、自分の話や、生徒に身近な話もするようにしていて、身近な関係性になるのもいいなって思っています。
次が楽しみになっちゃう、授業が終わったことにも気づかないというか、授業が終わりそうなのに次の問題を取り組んでしまったいる、終わってもやり続けちゃうみたいな。ちょっと気持ち悪いような気もするけど(笑)
-教科部長として、御殿場西高校が目指す授業の形は?
えーっと、生徒も教員もワクワクする授業が全部の授業であること(笑) 生徒たちが授業が受けたくて学校にきたくなる学校になっていきたいです。友達に会うため、部活動とかもいいけど、この授業があるからいきたい!と思うような授業が全ての授業だったら、毎日来たくなるよねと。
-ワクワクって色んな種類があると思うけど、どんなことをイメージしている?
次が楽しみになっちゃう、授業が終わったことにも気づかないというか、授業が終わりそうなのに次の問題を取り組んでしまったいる、終わってもやり続けちゃうみたいな。ちょっと気持ち悪いような気もするけど(笑)
-でも、それってわかるな、なんか。
終わってほしくないみたいな。そんな状態がいろんな授業で起きていたら最高。
-そうなるためにはどうすればいい?
数学に関してはもっと社会に役立つという実感が必要だと思います。数学はなかなかそれが感じにくく、日常に落とし込むのが難しい教科ですが、数学をやることで社会で生きる上でとても役に立つと気づいたらとっても楽しくなるのかなと。教科書はスモールステップすぎて何に繋がるのか分かりづらくなりがちです。でも、たとえば車のローンだと利子がつきますよね。数学で言うと等比数列の分野の知識が必要となり、その際に役立つものとなる。数学の知識があれば、人生をより有利に生きることもでき、もっと言えば、人生を幸せに生きることになると思っている。
-そんな壮大なことだったのか(笑)
最近はそう思うようになってきました。数学がむしろ苦手な子達を見ていると、そういうふうに感じるようになりましたね。だからこそ社会と結びついた、身近で、かつこれから生きる上で役に立つような、人生をよりよく生きるためのツールとして数学があってもらいたいと思っています。
-英語とも共通するところがあるね。
どの科目もそうだと思っています。学ぶために教科があるのではなく、人生をよりよく生きるために教科があるということでしょうね。
-最後に、3年後の自分へ一言
明日が楽しくなるように今日を組み立てたいと思っているので、明日が楽しみですかって(笑)なんだろ、それ(笑)
さて、今回は佳菜子先生にお話をお伺いしましたが、授業に対する思い、生徒たちに対する思いがとっても素敵でした。ワクワクする授業について話している姿を見ていて、僕もワクワクしました。前のめりになっている、時間も忘れて没頭している、次の授業が楽しみで仕方ないといったような授業が、全ての教科で行われていたらどうなります?学校が楽しみで仕方ないでしょ。そんな素敵な学校を僕たちは本気で目指しています。