「換気せよ」「黙浴せよ」の貼り紙にイエスも風呂で笑い給うや/chari
「うたそら」第六号のテーマ詠で、コロナ下の「暮らし」を詠んだ歌。
「せよ」という命令形の貼り紙は、キリスト看板「神と和解せよ」を思わせる。
イエスが再臨し、コロナ下の湯に入ったならば、貼り紙の強制力に苦笑するであろうかという疑問。
また、「換気」はベートーヴェンの交響曲「歓喜の歌」(シラーの讃歌「歓喜に寄せて」)というキリスト教世界の作品を思わせ、「黙浴」というコロナ下の造語は、沐浴(洗礼)に音が通じる。
「うたそら」第七号「そらよみ一首評」掲載。