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高橋良の短歌

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高橋良(旧筆名 高岡恵)の短歌です。
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さ夜ふけて時をり道の自動車の音が聞こゆる宿場町の家/高橋良

さ夜ふけて時をり道の自動車の音が聞こゆる宿場町の家/高橋良

2022年3月1日の「#短歌桜」の3首の1首目。「さくら」の「さ」で始めた短歌。

3首の始まりの一字はすべてひらがなにしたいと思い、ひらがなにしても違和感のない語を置いた。

「小夜」とも書くが、斎藤茂吉の『赤光』「死にたまふ母」の「其の三」の一首「さ夜ふかく母を葬りの火を見ればただ赤くもぞ燃えにけるかも」などにも見られるように、「さ夜」とした。ちなみに、「さ」は接頭語であり、「小夜」は夜と同じ

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夏光さす弓道場の君はまだオープンキャンパスに来し二年生/高橋良

夏光さす弓道場の君はまだオープンキャンパスに来し二年生/高橋良

二〇〇八(平成二十)年の夏のオープンキャンパス。特に弓道部として何か高校生向けのブースを設けていたわけではない。個人練習で道場に部員が何人かいたのだったか。私は大学一年で、高校での経験者ではあったが、基礎からもう一度叩き直したいとの思いで、練習に励んでいた。そこに隣県の高校から部活見学に来た女子が二人。高校二年でオープンキャンパスに来ていたわけだ。私は二年生の男子の先輩、三年生と四年生の女子の先輩

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