一人百首|一狄翁 【い】
秋の夕暮れ |一人百首 001
うらぶれし 逢ふ瀬なき世の 忘れ草
おもひ出づらむ 秋の夕暮れ
黄金の稲 |一人百首 002
黄金の稲の 葉の繁る
彼の地の訛り なつかしき ひといづこ
雪桜 |一人百首 003
散るも残るも 過ぎたる春の 雪桜
ひとり黙する
ゆきわだち |一人百首 004
めぐり逢いぬ 君の雪影 光にのびて
ゆきわだち踏み ならびつ歩む
切なき咆哮 |一人百首 005
切なき咆哮 ザクザクとこほるみち
かは誰の空に 浮かぶ三日月 いにしえより変わらず
五つの歌をごく簡単に解説してみました。他にもいろんな意味を込めていますが、おおよその解説は以上です。
雅号(筆名)について
一狄翁
一狄翁という、雅号あるいはペンネームですが、これは一人の北に住む翁、年寄りという意味になります。
一、一人という意味に加えて、私の本名は肇(はじめ)ですので、はじめ(一)もかけています。
狄、夷狄といった、北方の野蛮人といった意味があります。南に住んでる人から見れば、狄(敵)かもしれないが、北に住んでいる人から見れば南の人が敵かもしれない、いや友かもしれない。そんな意味も込めています。
もう一つ、狄の漢字の成り立ちですが、左の偏は、犬から来ています。左側が犬、右側が火です。犬と火ですね。
翁、ただの爺ぃという意味です。
参考記事:犬と火とヒトと
犬とヒト
火とヒト