お転婆娘

わざわざドーム越しに
青い空を愛でることはない
過ちと認識している物だから
いつかは腕白坊主が壊してしまう
ドームの無い青空の方が
美しいに決まってる

わざわざ動かない時計を
ガラスケースに飾ることはない
憐憫を演出するのが目的なのだから
いつかはお転婆娘が盗んでしまう
いま時を刻んでる時計の方が
意義があるに決まってる

侵された者はそれなりに
侵される理由があったのだ
これみよがしに
"財産"などと宣のたまっている内は
他の支配からは決して
自由にはなれないのだ

記念碑でも何でも財の許す限り
好きなだけ建てればいい
その財をどうやって得たのか
せいぜい考えてみればいい

わざわざ持って生まれた性を
学術的に分析することはない
そもそも他の支配が目的なのだから
いつかは洟垂れ小僧に暴かれる
知性とか何とか言ってるけれど
思い上がりに決まってる

これみよがしに
"財産"などと宣っている内は
他の支配からは決して
自由にはなれないし
支配したいという性からも
自由にはなれないのだ

試しにお転婆娘にいちど
尋ねてみるといい