野辺の送り
あの空の上にあの人がいるの
あの人に逢いにあの空へいくの
私の背中に翼が生えて
いま大空へ飛ぶのです
あの山を超えると故郷があるの
故郷の野辺にはひなげしが咲くの
幼い頃に遊んだ野辺は
いまも変わらずあるかしら
雲の下遙か遠く
黒い行列が続く
あれは野辺の送り
私はいま百鳥になり
この大空を飛んでます
早桶の中には亡骸があるの
亡骸の中には何にもないの
幼い頃に遊んだ兄を
ひとり残していくのです
あの人に逢いにいくのです
あの人に逢いにいくのです
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