モーニング
散々悪態をつき、道端に唾を吐き
汚れた心で人脈を増やし続けた
考えられる限りの悪い言葉を
考えられる限りの空白に
毎日毎日綴り続けた
自分を保つ術は他にはないと
信じて疑わなかったけれど
十年が過ぎ漸く解った
いい事は何もない
武力により善を手に入れようと
大枚を注ぎ込んできたけれど
十年が過ぎ流石に力尽きた
泥沼化だけは避けねば
自分を保つ術は今や他にはない
降伏文書に署名する他には
モーニングに身を包み
調印のペンを執る
救われたのだ
この戦争に学ぶべきは何か
まだ考える段階ではない
宸襟を悩ませてまでも
得たかった物は何か
考える資格もない
後々の世まで語り継がれるだろう
十年戦争を必死に戦い抜いた
だから恥じる事は何もない
モーニングを着る事も
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