手間と暇。そして100点お利口さん。
何事も「手間と暇」が感動を生むのさの一席。
つい先日、落語家になる夢をみました。
いっちょ前に真打昇進した、わたくし。
寄席の席では圓楽師匠が、面白おかしく私を褒めちぎってくださっている(感慨深い)。
次が出番だというのに、いまだ着物に袖を通しておらず、なんの演目をやるかすら決まっていない状況。
正直、話せる演目なんてちっとも思いつかない。
時そばなら、アレンジすればいけるのではと閃くも、蕎麦をすするあの音が出せないときた。
だがしかし、不思議なほどに自信満々なわたくし。
さて出番だ。えぇい着物はなしだ、なし!
死ぬわけじゃぁないし。なんなら、新たな風を吹かしてやるんだい!と意気揚々と一歩踏み出しましたところで、目が覚める。
なんともおもしろくもない夢サゲ(オチ)に、噺家にはなれないな、と謎のやるせなさを感じたのでございました。
落語の世界は、真打になるのに10年以上もかかるのだと聞いております。
何事も、時間をかけてコツコツと手間暇惜しまず精進しないとダメってことだな。
(まずは、蕎麦をすする練習からはじめよう。)
さて本日は、「手間と暇」そして未だ消化不良な夢を噛みしめながら、2日間かけまして、じっくり仕込んでまいりましょう。
仕込み終わったら、存分に自分を褒めてあげる。
カクゴハヨロシイカ?
「梅(ちと傷んだ子でもOK)」「ざらめ」『お好みでレモン」「スパイス」「お水」をご用意くださいまし。
材料
梅 お好みの量
ザラメ 梅に対して7割くらい
お好みでレモン、塩
スパイス お好みで
お水 梅が浸る量
作り方
1、まずはおへそのヘタ取りを
さっと洗っておへそのヘタをとりましょう。
実は梅のおへそには、毒や汚れがたまりやすい(人間のおへそと似てますね)。しっかり洗って、爪楊枝などでヘタを丁寧に取り除きましょう。
2、のっけから丁寧のターン
鍋の中に、優しく梅をうつしていきます。そーっと。そーっと。
そうしましたら、梅がかぶるくらいのたっぷり水をいれましょう。
弱火で梅がゆらゆらするまで温めます(10分とかそれくらい)。この時に焦ってグツグツやると梅の風味が飛んでしまうのでご注意あそばせ。
3、焦らずじっくり
さて、ゆらゆらしてきました梅。少し実が柔らかくなってきております。
火傷しないように一粒ずつ取り出しお水の中へ。
4、バランス感覚がね(アク抜き)
5時間ほどお水につけ、しっかりとアク抜きをしていきましょう。
ここを丁寧にしてあげることで、苦みやアク、酸味のバランスが整ってきます。
※梅の種類によっても異なるので、ちとかじってみてお味を確認。
5、グッと我慢のパート
しっかりアク抜きをした梅を、裏ごししていきます。
大変だけど、梅の甘酸っぱくてプラムに似た香りに誘われるわたくし。
ついつい、味をみたくなるのですが、一口つまんでグッと我慢。梅は生のまま100個くらい食べると、最悪死に至るケースもあるのだとか…。怖すぎる。
でもプラムみたいにおいしいので、一口くらいにとどめて、あとはグッと我慢。
6、1/3は残しておいてね
裏ごししました梅の中へ、ザラメをいれていきます。梅の分量に対して7割くらいがちょうどよいかと。全部いれすぎず、1/3くらいは残しておいてくださいまし!最後に甘さの調整をする時につかいます。
7、まだまだ丁寧パートがつづく
まだまだ丁寧に参りましょう。ザラメをいれたら、自然に溶けるまでじっくり待つ。いいですか、じっくり、待つ。
8、弱火でコトコト
溶けましたら火にかけてゆきましょう、弱火でコトコト。
途中焦げないように、ヘラでそこをすくってあげながら40分くらい。
9、いいですか、本日2回目の「待つの」
一晩寝かせます。馴染ませる。
10、ここからが本番
味をみまして、甘さがいい塩梅かをチェック。足りなければさらにザラメを追加しましょう。酸味が欲しければレモンをいれて、引き締めたければお塩をつまんでいれましょう。
あとは美しい半透明になるまで煮詰めて完成でございます。
11、自分で自分を褒めてあげましょう
長丁場。お疲れ様でございます。
自分で自分を褒めてあげる。とっても大切なことでございます。
100点お利口さん。
以上。
今日のツボ
・やさしく丁寧にそーっとあつかう
・やさしく熱を通す
・裏ごししてなめらかに
・あせらずじっくり
・一晩寝かしてまつ
・お好みの固さに仕上げる
・自分で自分をほめましょう
「自分を褒めるって大事だ」
3日間連続で、会う人、会う人に話しております。
結構できないもんだなと、この自粛期間で気づけてアイムソーハッピーです。
その流れから、ヒッピーみたいなバンダナ好きの友人が
「100点お利口さん」
とか言って自分を褒めていたのを思い出し、見習おうと思っています。
今日は、塩について調べものができたわたしよ。
100点お利口さん。
お後がよろしいようで。
食べたいものをつくる人 高橋 拝。