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悲しい酒と幼子
幼子には歌謡曲な一席。
ゴリラ(妹)に、子ゴリラが産まれて我が家が湧きました、皐月のこと。
なぜか1週間ほど、ゴリラのお家にて家事手伝いをすることになりまして、住み込み家政婦をしております。
ちび助はむちむち、すべすべで愛おしく、泣き出す寸前で抱き上げまして子守唄をば。
「一人酒場で飲む酒は、別れ涙の味がする」
なんて感じで、きちんとしゃくりまで使いつつ、赤子に渾身の歌謡曲を唄いあげます叔母。
気持ちよさそうに目を閉じる甥っ子。
な、歌謡曲いいよなと、ほぼ独り言のようにつぶやくのがルーチンになりそうだ。
さて本日は、呑むのが好きな妹夫婦のために、ちとこじゃれたカタカナ料理「ラーパーツァイ」を仕込みます。
白菜の甘酢漬けにジュワッと、熱したごま油をかけまして寝かせる。
最高の肴のできあがりだ。
夏の日にピッタリな肴。
「白菜」「塩」「生姜の千切り」「ごま油」「お酢」「砂糖」をご用意くださいまし。
材料
白菜 お好みの量(今回は両手に収まるくらいの量)
塩 適量
唐辛子 1/2本
生姜の千切り 半かけ
ごま油 ちょろりくらい
お酢 スプーン2
砂糖 スプーン半分くらい
作り方
1、食べたときの妄想
白菜は贅沢にやわらかい葉っぱの部分をつかいます。
まずは、口に含んだ時のことを妄想。どのくらいの大きさが食べやすいかなとイメージしたのち、カット。お次は生姜を千切りに。
2、浸透圧の出番
お塩を白菜と生姜にパラりと振ります。ボウルの中をゆすってあげると、次第に水分がスッと抜ける。浸透圧の仕業とな!
しっかりと水気を切ったらバッチグー。
3、夏の酸味にありがとう!
熱くなると、これでもかと酸っぱいものが食べたくなるわたくしでございます。まるで、すっぱすっぱ星人だ。
適度な酸味は、体の余分な水分をだしてくれるのだそうな。あまみを追加しまして、食べやすく整えてゆきます。
まずは、白菜の塩気を食べて確認。味付けはちと濃いめくらいがおすすめでございます。
4、油をトランス
これでもか!おりゃぁっ!くらいの勢いでごま油と輪切りのと唐辛子を熱しましょう。もくもくと煙が出るくらいに!まるでトランス状態だ。
5、ドキドキジュワ
先ほど、甘酢につけました白菜と生姜。こちらにトランス状態のごま油を、ジュワ。緊張の一瞬。
火傷しないようご注意あそばせ!
6、馴染ませまっしょい!
なんとこの子たち。ちと人見知りがすぎますゆえ、仲良くなるまで1時間または、一晩お時間がかかります。
じっくり見守る。これがわたくしたちにできること!
以上。
今日のツボ
・白菜の大きさへの妄想
・塩の浸透圧の神秘
・まずは白菜の塩気をチェック
・甘酢はちと濃いめに
・油のトランス状態
・ドキドキジュワ
・仲良くなるには時間がかかる
わたしの十八番であります「悲しい酒」。
生まれて初めて号泣した曲であります。
少女タカハシ当時16歳。
衝撃でございました。
恋だの、愛だのよくわからないくせに、心が震えました。
ここからエンドレスで聞き流し暗記。
スナックにて、だいたい百恵ちゃんや聖子ちゃんをいれる若者を横目に、これをしっとりと歌い上げるのが好きです。
ある種の威嚇だな。
おっちゃんたちは湧くのです。
もっと、感情をこめられるよう人生経験豊かに生きてまいります。
お後がよろしいようで。
食べたいものをつくる人 高橋 拝。