【負けるが勝ち】
【負けるが勝ち】
『負けるが勝ち』
という成句があります。
意味は、
『強いて争わず相手に勝ちを譲った方が、結局は自分に有利な結果をもたらすということ』(明鏡国語辞典)
です。
争わないことが肝心です。
そのために、
『自分が正しい』
と主張しないようにしましょう。
これについて、
ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)分野の第一人者であるディーパック・チョプラ博士は、著書
『本当の幸せをつかむ7つの鍵』(訳者 住友進 サンマーク出版)
の中で、こう述べています。
「 ほとんどの人は、
自分の考えを世間に押しつけようとする罠にはまっています。
正しいことと間違ったことの判断基準を設けて、
長年、その善悪に関する信念を絶対に曲げようとはしません。
『私が正しい』
と信じていれば満足できるかもしれませんが、
それではほんとうの幸せは訪れてはくれません。
(中略)
自分が正しいことを証明することで、
幸せになった人は今までに誰ひとりいないのです。
結局、待っているのは対立と対決のみです。
自分が正しいと言い張れば、
かならずほかの誰かが間違っていることになってしまうからです。
(中略)
誰もがよくご存知のとおり、
『自分が正しい』
という態度をかたくなに変えようとしなければ、
神の名のもとに続々と争いが起こってくるでしょう。
(中略)
世の中を愛ではなく判断で見ようとすれば、
あなたは愛のない世界に暮らすことになるのです。」
自分のほうが正しいと主張しないことが大切です。
なぜなら、
我を張れば他の誰かを悪者にしてしまうからです。
相手の意見を否定しなくなれば、
心は穏やかになり、
視野も広がります。
人の数だけものの見方があります。
このことを忘れないようにしましょう。
相手の間違いを指摘しないことも重要です。
これについて、
『新訳 人を動かす』(著者 D・カーネギー 訳者 田内志文 角川文庫)
の中に、こう書いてあります。
「もしはっきりと間違っている相手にずけずけとそれを指摘したなら、
いったいどんなことになるだろう?
実例を紹介したい。
ニューヨークのS氏という若手弁護士が、
連邦最高裁判所においてとある重要事件の弁護を行ったことがあった。
巨額のお金と重要な法的問題が絡んだ事件である。
議論の中で裁判官のひとりがS氏に言った。
『確か海事法の出訴期限は六年が上限だったね?』
S氏は身動きもせずしばらく裁判官をじっと見つめると、
『裁判長、海事法に出訴期限はありません』
と言い放った。
すると法廷がぴたりと静まり返ったとS 氏は言う。
その様子を、
彼がクラスで話してくれた。
『まるで法廷内の気温が零度まで下がってしまったようでした。
正しいのは私で、
裁判官が間違っている。
だからそう言ったのです。
しかし、
それで彼が私に好意を抱いてくれたでしょうか?
そうではありませんでした。
今でも、
正しいのは自分だったと信じています。
弁論も、いつになく上出来でした。
しかし、
説得には失敗してしまったのです。
私は、高い教養を持つ有名人に、
【あなたは間違っている】
と言ってのけるという、
大失態を演じてしまったのです。』」(199頁〜200頁)
たとえ相手が間違っていたとしても、
相手に敬意を払い、
間違いを指摘しないことが大事です。
相手の感情を害さないように気を配りましょう。
争いを避けるために、
自分が正しいと主張しないようにしましょう。
勝ち負けに拘らないことが肝要です。
『競争』から『協力』へ
『力比べ』から『助け合い』へ
『競い合い』から『教え合い』へ
『勝ち組、負け組を決める争い』 から
『共存、共栄』へ
価値観をシフトしましょう❗
『負けるが勝ち』
です。
(推薦図書)
『本当の幸せをつかむ7つの鍵』
(著者 ディーパック・チョプラ 訳者 住友進 サンマーク出版)
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『新訳 人を動かす』
(著者 D・カーネギー 訳者 田内志文 角川文庫)
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