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#816 リーダーには「方針転換する勇気」が必要かもと思った件

NHKオンデマンドを知らずの間に契約していた。気づいたのは5月半ばで明細を辿ってみると、2022年1月からの請求履歴があった。なんとなく思い当たる節があるのだが、その時は契約したつもりは無く、ただただ5ヶ月間視聴もせず無駄遣いしてしまったことになる。

急いで解約するが、視聴は5月末まで可能。もったいないので、ここ最近はずっとNHKオンデマンド作品を視聴しまくっている。

最初は「サイエンスZERO」等の理科系番組を観ていたが、途中からNスペの「未解決事件」シリーズを完走。そして今は同じくNスペの終戦関連の特集を片っ端から消化している。

「未解決事件」シリーズで印象に残ったのは、昭和後期と平成初期の大きな事件。「グリコ森永事件」と一連のオウム事件から連なる「國松警察庁長官狙撃事件」だ。

これは他局だけれども狙撃事件の真犯人とされる「中村」を追ったドキュメンタリー👇👇内容はかぶっている。





2012年8月に放送されたNスペ「終戦なぜ早く決められなかったのか」も興味深かった。
これはよく似た内容のYouTube👇👇

これらの「未解決事件シリーズ」と「終戦ドキュメンタリー」を観て、解決出来なかった共通点があることに気づいた。それはリーダー達は「思い描いた結論をなかなか変えられない」ことと「重要な情報の共有がなかなか出来ないこと」だ。

事件の捜査方針にしても、終戦への方針にしても双方「結論ありきのシナリオに持っていきたい」という思惑があるということ。そして超重要な極秘情報は自分達だけのものにして会議の場で共有されないということ。そして、その結果だれも幸せにならなかったこと。

例えば「グリコ森永事件」。犯人グループの要求に沿って身代金を用意し、被疑者の1人「キツネ目の男」と2度も接触機会があったにも関わらず、結局職務質問すら出来ず取り逃がしてしまう。これは捜査本部の「一網打尽」という方針を変えられなかったためだ。加えて大阪府警と滋賀県警の情報共有もなされていたかったため、被疑者と知らずに職務質問をしようとして、取り逃がす失態も。

國松警察庁長官狙撃事件の件にしても方針は「オウムによる犯行」の方針をなかなか変えられずに、結局時効を迎えてしまう。そして操作を主導した公安部と刑事部の情報共有もなされていなかった。

そして終戦への決断が遅れたのも「本土決戦で一撃を加えてから」という軍部の方針を変えられなかったことと、軍部がソ連参戦の情報を知っていながらも天皇や首相に伝えていなかったとことが挙げられている。

逆に言えば、結論が誤りとわかった時点ですぐに方針転換する。知っている情報は些細なことでも共有することを徹底していれば、これらの結果はまた違ったものになっていたかもしれない。そして、今のリーダーに求められるのは、方針転換する勇気や情報共有なんじゃないかと思ったり。

かつて自分が所属していた組織の直属上司も頑なに方針を変えない人だった。元銀行員の彼の口癖は「一度決定した方針をころころ変えると、組織がぶれる」。なので下からの突き上げがどんなにあっても、またその方針におかしな点があったとしても頑として変えない。それが彼の処世術だったのかもしれない。

ただ、その決定した方針がころころ変わるので「朝令暮改だ」「ボスの思いつきに振り回されてる」とよくボヤいていた。今となっては、前職のリーダーは仮説と検証を繰り返し、勇気を持って朝令暮改をしていたのかもしれない。現場は大変だけれども。

あと、方針を変えられない理由にサンクコストの考え方が頭をよぎり、しがみついてしまうというのもありそう。ここらへんはまた別の機会に考えてみよう。

払ってしまったNHKオンデマンドの料金もサンクコストの考え方では観ても観なくても同じだと言えばそうなのかもしれないが、少なくとも上記の気付きがあったので良しとしよう。

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