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#910 「コネクティング・ドッツ」と「必要は発明の母」
こんなニュースを見た。富山大学の研究チームがホタルイカの発光物質が糖尿病性腎症の診断に使える(かもしれない)ことを発見したとのこと。
一見、なんの繋がりもない「ホタルイカ」と「糖尿病性腎症」。どうやってこの研究チームは両者の関連を発見したんだろう?裏側が気になる。
このニュースで思い出した言葉は「コネクティング・ドッツ」。正確に表記すると「Connecting the dots」。訳すと「点と点を繋げる」。
スティーヴ・ジョブズ氏の伝説のスピーチと言われている、2005年スタンフォード大学の卒業式での言葉だ。
一見なんの関係もないことでも、興味を持っていろいろと取り組んでいると、後になって繋がることがる。ジョブズ氏は大学時代に専攻とは関係ない「カリグラフィー」の授業に潜り込んでいたとのこと。それが後にMacの美しいフォントへと繋がったと述べている。
「点と点を繋げる」ためには点は多ければ多いほど良い。そしてもう一つ必要なことは「必要は発明の母」だってこと。繋げるための理由がなければ繋がるものもつながらない。
こういった研究者や発明家のひらめきは「ワーク・ライフ・バランス」じゃなく「ワーク・ライフ・インテグレーション」なんだろうな。常に生活と結びついている。前述のホタルイカの発見だって、食卓に並んだ「ホタルイカの沖漬け」からひらめいたのかもしれない。
小西康陽さんが「いつもレコードのことを考えている人のために。」なんて本を出版されていたが、天才と呼ばれる人々はいろんなことに興味があって、いろんなことをいつも考えているから、点と点も繋がりやすいんだろう。
レオナルドダ・ヴィンチだって「モナ・リザ」から「飛行機」まで様々なものを発明しようとしていたって言うし。
NHKスペシャルだったと思うが、「IQの高い子供は成功しやすい」という仮説を長年に渡って追っかけたところ、成功した人物に共通する特徴は、様々な分野に興味を持って取り組んだ人だったという研究成果を観た記憶がある。
そう考えると、自分もいろんなことに興味をもって首を突っ込んでいると、いつかは「コネクティング・ドッツ」する日は来るのだろうか?まあ、小さな点と点の繋がりはあるんだけれども。
「仕事ができる人」だったり「その発想はなかったわ」といった素晴らしい発想をする人に憧れや尊敬の念があるのだが、その共通点は「コネクティング・ドッツ」力に対する憧れなのだろう。