たった一度の成功体験が、自分の人生を変える最高のエネルギーになる。
私には、たった一度だけ本当に人生で最高に成功したと思える体験がある。
半年でマグロの解体方法を自分の技術にしたこと
テレビで見るような長い包丁を使うのではない。
実際の現場では、牛刀という牛を切る包丁を使って5分たらずでガンガン切っていく。
多い時で80kg近いマグロを30本近く捌くのだから、スピードが命。
社内に誰も経験者がいない中で、たまたま私に白羽の矢がたった。
捌けなければ首とまで言われた。
とても研修とは呼べない体制の中で、地方の市場に送られ、仕事を手伝って一か月。
当然どこの現場へいったて魚を触らせてくれない。
なぜなら、短期間でできるようなものではないから(笑)
たまたま捌かせてもらっても、まず勝手がわからない。
失敗して、蹴られた。
市場の親父に一回の失敗で、センスねえからやめちまえと言われた。
心が折れかけた。
けど、これが成功したら、絶対に自分の人生にとってプラスになると思った。
職場の誰もが心の中で、どうせ辞めさせらると思っていただろう。
上司には、送りこんでおいて、まだできねえのかよとガンガンプレッシャーを掛けられた。
切れもしないのに(笑)
頭はマグロの骨の事でいっぱいだった。
マグロの解体の動画を見まくった。
世界中の魚の捌き方を参考にした。
切り方も何度も変えた。
手も切った。
血だらけになりながら、絆創膏だらけになっている自分の手
自分の全神経を傾けながら、毎日切った。
夢を見てもマグロの夢ばかり。
そんなことをしているうちに、
たった一本の包丁で、完璧に下せるようになった。
気付いたら、5分前後で捌けるようになった。
上司が見る目が変わった。
たった一度の成功で、圧倒的な信頼を勝ち得た。
その後、いろいろあって会社を辞めることになったが
その成功体験は今でも強烈に私の頭の中にある。
さて私は今、駆け出しシステムエンジニアとして奮闘している。
その時の成功体験が、私の全ての支えだ。
あの時、必死で試行錯誤した経験が、自分の自信になっている。
周りの人間は、できないできないと足を引っ張ろうとする。
一般論なんてどうでもいいのだ。
最速で結果を求めるには、この技術を習得するには、何年必要かなんて考える必要はない。
1年で覚えるんだ!という気概もいらない(笑)
失敗したら、辛いから(笑)
ただ夢中になること。
自分はできると信じること。
できない事はないなんて言えないけど、
俺はセンスの塊だと思い込む。
別にマグロを沢山きったから、給料がめっちゃあがったわけでもないし、社長から表彰を受けたわけでもない。
だから、世間一般の人からみたら、へーで??みたいな事を思われるかもしれない。
実際、転職活動中も訳の分からんコンサルに「いやあ、どうでしょうかね、この経験マグロ業界でしか使えないすよね?」みたいなことも言われた。
ただ、どんな小さな成功体験でも、必死に努力した結果であったら、
それは、自分を変える、次にチャンスを得られる
大きなエネルギーになると信じている。
取り組むときは、死ぬ気だ。
負けたら、辞めようと思っていた。
そのくらいの覚悟で得た経験は、絶対に自分のためになる。
私も今は、新しいシステムエンジニアという職で沢山苦労している。
でも頑張れるのは、成功体験があるから。
絶対にうまくいくと信じている。
周りが仕事できているのだから、俺に出来ないはずはないと思い込んでいる(笑)
まあ、でも人間どうにもならないときもある。
そんときは、無理せず、魚屋に戻ろうと思う(笑)
やるところまでやったら、人間見極めも大事。
過去の成功にすがるのは良くないけど、それが自分の心のよりどころになることだってある。
さて、来週も頑張るとするかな