ゴジラ怪獣ここが好き Gフォースメカゴジラ編その2
ゴジラ怪獣の好きなところを書いていくシリーズ。
今回紹介するのは、劇中でのメカゴジラの活躍。
機械ならではの非情な猛攻撃。
よろしければご覧ください。
ゴジラ×熱血ロボ
ロボといったら熱血です。
機械なので血は通っちゃいないですが、これはもうセットになっていると僕は思います。
分解ギリギリの状態で特攻したり、機械的な確率論を勇気で乗り越え勝利したり。
ロボット物なら一度は出てくる場面です。
そして、もう一つかかせない物、それは合体。
戦隊モノのように合体してロボになるパターンもあれば、別のマシンと合体してパワーアップすることもあります。
たまに物理法則を無視した合体をするロボもいますが、それがまたいいのです。
Gフォース製メカゴジラも、その辺のロボ的お約束をしっかり押さえた活躍ぶり。
前回は主に搭載武装についての紹介でしたが、今回は映画内での戦いっぷりをご紹介します。
メカゴジラ出撃
映画冒頭、Gフォース基地内のドックに横たわるメカゴジラ。
開発経緯などが語られつつ序盤から登場し、つかみはバッチリといったところです。
昭和メカゴジラは整備中も直立していましたが、今回のメカゴジラは横向きに寝かされてのメンテナンス。
万が一の転倒などを考えれば、合理的なリスク回避です。
いともたやすく基地に潜入されるような、ガバガバリスク管理の宇宙人とは大違いですね。
このシーン、リアリティを感じる細やかな描写が魅力的です。
メカゴジラを固定しているいくつものアームや、何をくっつけているかわからないが火花を散らしている溶接機らしき機械。
より砕けた言い方にするなら、「それっぽさ」でしょうか。
なんかすごいの出来てるなあ、とワクワクさせるシーンです。
ゴジラ上陸を受け、迎撃のためにメカゴジラは発進。
ロボットらしく固定アームを解除する発進シークエンスのあと、ジェット噴射により飛び立ちます。
飛んでいるときに若干太って見えるのは昭和メカゴジラからのお約束です。
いよいよゴジラと初対決となったメカゴジラは、得意のビーム攻撃の連射でゴジラを追い詰めていきます。
ゴジラの熱線を跳ね返すプラズマグレネイドにより、ほぼ完封と言っていい戦況。
好機と見たメカゴジラは、倒れこんだゴジラにワイヤー兵器「ショックアンカー」を打ち込みます。
このまま高圧電流でゴジラの体内を焼いてしまおうというわけです。
ところで、全く僕の知識不足かもしれませんが、ロボット物で敵と自分をワイヤーでつないじゃうような兵器って、だいたい想定外のことが起きてぶっ壊れますよね。
前例にもれず、ゴジラの体内からはエネルギーが逆流します。
過剰なエネルギーを流し込まれたメカゴジラはオーバーヒートし機能停止。
棒立ちになったところに体当たりをかましたゴジラは、横転したメカゴジラに完全に見下した視線を送りつつ市街地に進撃してしまいました。
対ゴジラ戦闘機・ガルーダ
さて、あえなく初戦惨敗したメカゴジラはさっそく改修。
オーバーヒートの原因となったショックアンカーは「Gクラッシャー」へと強化。
電圧を上げたうえ、とある事情で判明したゴジラの弱点を破壊するための機能を備えた兵器です。
そして、さらなる火力向上と機動力強化のため、「ガルーダ」との合体が提案されます。
ガルーダは、メカゴジラに先行して作られた対ゴジラ兵器第一号です。
ゴジラ(東宝特撮)チャンネル「ゴジラVSメカゴジラ 予告編」より
https://www.youtube.com/watch?v=TvbWZB1k5t0
攻撃力と機動力に特化しているのが一目でわかるデザインがいいですね。
ガルーダは、機動力こそ優秀だが火力面でゴジラへの有効性に疑問符がつき、正式な採用が見送られていました。
しかし、開発者の一人である青木がメカゴジラ開発担当の博士に直談判。
スーファミのスターフォックスみたいなCG動画を見せて、ガルーダの性能をアピールします。
そんなざっくりした動画を見せて「すべての性能が向上してます!」なんてプレゼンの仕方じゃ。全然説得力が無いように思うんですが、思ったより良い人だった博士はすんなり納得。
巨大ロボットを本気で作っちゃうくらいなので、きっと純粋な人なんでしょう。
これに気をよくしたのか、さらに無茶を言う青木君。
「メカゴジラとガルーダ合体させましょう」「少しの改造で済むんです」なんて言い出します。
気合と勢いでどうにかなる系の映画じゃないんだから到底無理だと思うんですが、これもあっさり採用する博士。
この博士、絶対熱血ロボットアニメファンです。
メカゴジラ、リベンジ
諸々合体のための改修を済ませ、再度出撃するメカゴジラとガルーダ。
そして、本来のパイロットではないのに勝手にガルーダに乗る青木。
一応軍隊なんだから、規律とかそういうのは大丈夫なんでしょうか。
まあ、思い入れのある機体に自分が乗るのはロボット物では鉄板ですけど。
さっそく対ゴジラの前哨戦、ファイアーラドンと対決する両機。
そして、あっさり墜落するガルーダ。
青木君さぁ…。
なんとかラドンは倒しましたが、ガルーダは再起動に時間が必要。
ラドン戦での破損を抱えたまま、メカゴジラ単機でゴジラ戦に突入します。
しかしやはり単独ではゴジラに押し負け、地面にたたき伏せられてしまいます。
そこに駆け付ける復活のガルーダ。
操縦テクは微妙ですが、爆速の修理力はさすがです。
なお、ここで交わされる青木とGフォース隊長の会話が洒落ててカッコいいので要チェック。
こんなカッコいいセリフの後、やることといったらアレしかないでしょう。
決まってんだろ、合体だ!
ゴジラ(東宝特撮)チャンネル「ゴジラVSメカゴジラ 予告編」より
https://www.youtube.com/watch?v=TvbWZB1k5t0
スーパーメカゴジラ見参!
というわけで、こちらがこの映画の目玉、合体によりパワーアップしたスーパーメカゴジラです。
Gフォースメカゴジラで僕が一番好きな要素がこの合体です。
戦隊モノの合体ロボが大好きだった僕が、同じく大好きなゴジラ映画で合体ロボが観られる幸せ。
このときの興奮といったらありませんでした。
たぶん、僕が今でもこういう背負うタイプの合体が好きなのは、このスーパーメカゴジラの影響です。
合体により高い機動力を得たメカゴジラは、ホバリングで距離をとりつつ怒涛のビーム砲撃を開始します。
麻痺弾により倒れこんだところに、Gクラッシャーを発射。
弱点である、腰部の「第二の脳」を破壊します。
第二の脳とは、下半身の動きを司る神経が密集した場所。
それを破壊することで人為的に下半身不随を引き起こす、結構えげつない攻撃です。
動けなくなったゴジラにさらなる追撃を行い、ついにゴジラは沈黙してしまいます。
しかし、ここで倒されたはずのラドンが最後の力を振り絞り飛来。
身体を金色の粒子に変えると、ラドンの力を受け取ったゴジラが復活。
しかも、この粒子の影響でメカゴジラの装甲が溶け出し、熱線を反射する機能が使えなくなってしまいます。
一気に形勢が逆転し、窮地に立たされるメカゴジラ。
強化された熱線を何度となく浴びせられ、あえなく爆散します。
一転攻勢からの爆発四散は、昭和からの様式美みたいなものですね。
以上が、劇中でのメカゴジラの活躍でした。
ロボット物的な熱い描写もありつつ、メカゴジラらしい悪役チックな攻撃もあり、深みのある怪獣だと思います、
人類側の兵器であり役割としては正義のロボットですが、物語上の立ち位置としては悪役寄りという絶妙な位置づけにいるのもいいですね。
失われない「人間性」
「命ある者と、ない者の差」という、映画ラストでのセリフがあります。
この映画全体のテーマを象徴する言葉です。
確かに、ロボット怪獣としてのメカゴジラは命を持ちません。
ですが、その中に乗り込んだGフォース隊員たちはどうでしょうか。
熱いセリフを交わすメカゴジラの乗組員たちは、頑固な上司であったり軽率な若者。
冷たい機械の中にあって、確かに命ある者として存在しています。
今作での対ゴジラ作戦は、これまでとは異質な冷酷なもの。
ゴジラと同族の子供を囮にし、おびき出したゴジラの神経を破壊するという残酷な計画です。
人間性を失いかねない残虐な作戦。
これに失敗したメカゴジラ乗組員が話すのが前述のセリフです。
命を持たない冷徹な機械のように、なんの感情も持たず命を奪う存在になるところを、ギリギリのところで踏みとどまることができた瞬間だったと思います。
1993年という情報化の波が押し寄せ始める時代に、この映画は公開されました。
どんなに高度な文明のなかにあっても、人間は決して人間性を失わない。
そんなメッセージがこの映画、そしてメカゴジラには込められているように僕は感じます。
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