読書108 『陽だまりのひと』
藤岡陽子著 (『テミスの休息』改題作品)
横浜市に法律事務所を置く、弁護士の芳川有仁と事務員沢井涼子。
『ホイッスル』のスピンオフ作品。連作短編集です。
・卒業を唄う
結婚式を目前にして、婚約を破棄された女性
・もう一度、パスを
「殺人罪でいいです」人生を諦めた二十六歳
・川はそこに流れていて
相続問題に直面して、戸惑う不幸な生い立ちの筏師
・雪よりも淡いはじまり
不倫相手の妻に渡した、二年前の慰謝料を返してほしいという依頼人
・明日も、またいっしょに
母が交通事故を起こして、生活費のために高校中退を決意する涼子の息子の友人
・疲れたらここで眠って
過労で息子を失った不動産経営者
おすすめポイントは、藤岡さんらしく最後には前を向けていて、あたたかいところです。
嫌なひともちゃんと出てきますが🤭
みんなが友人や親きょうだい、大切な人を思いやっていて、何らかの後悔を抱えながら一生懸命生きています。
芳川弁護士が強いるでもなく、向かう方向を導くような言葉をかけていき、また涼子さんもいい感じで関わっていきます。その様子はまるで、陽だまりのようにやわらかくてやさしいです。
「暗い穴は自分たちの周りのあちらこちらに空いていて、いつ自分自身や大切な人が陥るかもわからない」
「失点には一連の流れがある」🥹
「走らないやつに、誰もパスは出しませんよ」🥹
順番が逆になりましたが、原作の『ホイッスル』も、読みたいと思います🤭
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