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読書104 『魯肉飯のさえずり』

  『魯肉飯のさえずり』 温又柔

就職が決まらずに落ち込む桃嘉。
大学の先輩の聖司からのプロポーズを受けて、桃嘉の大学卒業を待って二人は結婚をした。
周囲から羨ましがられるほどの結婚相手の聖司だったが、果たしてそれでよかったのか・・・。

桃嘉は台湾人の母と日本人の父を持ち、溢れるほどの愛情を受けて大切に育てられた。
しかし、小学生のとき「ほかの子たちにわかんないことばで話さないでよ、恥ずかしい」「どうしてママはふつうのママじゃないの?」と言ったことがある。
中学校受験のときにはイライラしていた時期に、心配する母をうとましく思い、傷つけて泣かせたこともある。

母は母で、桃嘉が苦しんでいるときに、自分が言葉でうまく伝えられないことがもどかしく、どうしても台湾語や中国語で責めるような口調で言ってしまう。

そんな母娘の痛みに優しく寄り添ったお話でした。

言葉だけでなく、そこに相手を想う気持ちがあればちゃんと伝わるんだということ。
また、その逆もあるんだということ。自分の言葉が相手に届かないことは苦しみになって積もっていきます。

母はいつも「食べる」ことを大事にします。
自分が作った料理を、父や桃嘉がおいしそうに食べるのを見ているのがうれしいと言います。
食事の様子は、話の中によく出てきます。
桃嘉は母が作る「魯肉飯」が大好きです。

どんなときも一生懸命の桃嘉の母。
うまく伝えられずに、ついつい感情的になってしまうところは、痛いほどわかります。
刺さるところがたくさんあります。泣かずにはいられませんでした🥹

おすすめポイントは、台湾の料理や人柄です。歴史にも少し触れています。がじゅまるの木の話も「へぇ〜😳」と思いました。

印象に残ったところは、伝わる相手と伝わらない相手によって、こんなにも心の重さが違うのかと感じさせられる部分です。

気になっていた本でした。
もっと台湾のことが知りたいと思いました。
「魯肉飯」も食べたことがないので食べてみたいです。

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