読書157 『少年籠城』
櫛木理宇著
『やぎら食堂』を父から継いだ司は、子どもたちには100円で食事を提供している。
皿洗いや掃き掃除などの手伝いをすると無料。大人に酒を提供する時間は子どもは店に入れないルールがある。
この街には借金やDVなど、さまざまな事情を抱える人たちが、逃れるようにしてやって来ては、突然いなくなることが、日常的にあった。
戸籍がなかったり、住民票を移していなかったり、手続きをしてないなどの理由で、学校に行っていない子どももいた。
河原で少年の惨殺遺体が発見される。殺人事件の容疑者と思われる15歳の少年が、警官から銃を奪い、司と子どもたちを人質にして、なぎら食堂に立て籠もった。
大人の勝手に振り回される子どもたち。
殺された少年は、捜索願いも出されていなかった。
話が進むにつれて、さまざまな闇が浮かんできます。
また、容疑者が少年で、子どもを人質に立て籠ることで、多く報道されています。特に関係のない人たちが、その様子をネットで配信することで、思わぬ障害を呼んでしまうのです。
司は、容疑者の少年と過ごすにつれて、自分がやっていることは、単なる自己満足ではないかと思ってしまいます。緊張感の中に、心理的なかけ引きもあります。
司と幼なじみの警察官との関係も、2人のやり取りも、見応えがありました。
現代の闇に切り込んだ作品。
子どもの叫びを訴えるものがありました。
読むまでは、残酷な印象だけを勝手に持っていて、少し抵抗がありましたが、読み始めたら気になることばかりが炸裂して、止まりませんでした。
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