見出し画像

読書156 『幻月と探偵』

   伊吹亜門著

支那事変の翌年にあたる1938年の満州。
私立探偵の月寒に、満州国国務院産業部次長の岸から呼び出された。
岸の秘書の瀧山が亡くなった真相を探ってほしいという内容だった。
依頼人は、瀧山の婚約者の小柳津千代子。千代子の祖父は、退役した本陸軍中尉である。

調査を進めるにつれて、さまざまな真相が暴かれていき、さらには、小柳津の関係者の新たな死者が・・・。

満州の歴史や土地のことや、1917年のソヴィエト政権の樹立。そこにどのような意図で日本がどう関わったかなどなど。
事件の真相を辿りながら、大きな歴史の変動が組み込まれていて、壮大なスケールでした。

月寒さんは、警察からは嫌われ、憲兵からはひどい目に合わさて、散々な目に合いますが、その洞察力や推理力は気持ちいいくらい。でも、この依頼を「受けるんじゃなかった」と、後悔する場面が、印象に残りました。

こちらの作家さんは、まだ、2冊目ですが、他の本も続けて読みたいです。
いずれも、実在する人物が出て来て「これ、大丈夫なのかな?」と、ヒヤヒヤしますが、その分リアルさが伝わってきます。あくまでフィクションです。

#読書 #読書記録#読書日記#読書感想#読書ノート#読書倶楽部#本#本が好き#本棚
#おすすめの本 #本のある暮らし
#幻月と探偵 #伊吹亜門

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?