読書209 『満願』
米澤穂信著
・殉職した警察官が、最後に残した言葉の意味は?
・二年前に突然姿を消した恋人が、山深くにある温泉宿で働いていると聞いて、取るものも取らずに宿に向かった。
・美しく育った母は、大学で人気者だった父と結婚した。父は家にいないことが多く、働いてもいなかった。
・商社勤務。天然ガスの資源開発を進めるため、次はバングラデシュへの辞令があった。
・知り合いの編集者から、都市伝説の原稿依頼の話があった。先輩が寝かせたままのネタを提供してくれたので、取材に向かう。
・学生のときに、下宿先の人には世話になった。司法試験に合格し、卒業して下宿を離れるが、四年後、この下宿で驚くことが。
人が持っている、底の方に沈んでいるような、澱んだ欲や感情が、ヒタヒタと近づいてくるような怖さでした。
6篇からなる短編集です。
都市伝説の話は、途中まで「まるでホラー」と思うような、得体の知れない恐ろしさがありました。
美しい母と家にいない父の話のオチが、嫌なやつでした。嫌な怖さです。
「嫌な」と思いながら、やっぱり嫌な気持ちになるのですが。
少し置いたり、なかなか進まなかった話はあるのですが、でも、読むのをやめようとは思いませんでした。
話の構成や背景が凝っていてリアルで、そういうところも魅力なんだなと思いました。
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