読書198 『口福のレシピ』
原田ひ香著
留希子の実家「品川料理学園」は料理教室であり、江戸時代から続く古い家柄である。
しかし、留希子は後を継ぐ気がなく、製品開発会社で働き、今はフリーで仕事をしている。
料理は好きなので、レシピをSNSで発信していたことから、料理レシピのアプリ開発など、料理が関係する仕事の依頼が増えて来た。
昭和に時代が変わった頃、女子のための西洋料理を教習所にしていた品川家に、しずえは奉公に入っていた。
しずえは昼餉の支度をまかされていたが、セロリーの調理に悪戦苦闘をしていた。皆、嫌がって残すことが多いのだった。
今の時代の留希子の話と、昭和二年あたりのしずえの話が、交錯しながら進んでいきます。
時代の違う、しずえと留希子の話が、どう関係するのか。
しずえの運命に「なんて不便な•••」と、嘆きたくなりますが、しずえはしあわせだったと言います。
旬の素材や土地のものを使った、いかにもおいしそうな表現や、時短で簡単なレシピの開発の様子など、ためになるところもたくさんありました。
今ではあたりまえのように、食べることができているものが、いかに手に入りにくく、調理方法にも苦労したものかも、よくわかります。
今は検索したら、ほとんどの材料の作り方が出てきます。
ですが、配信している人もそこにたどり着くまで、何度も繰り返して味を確定させているんだろうなぁと思います。
料理は奥が深いなぁと、つくづく思いました。
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