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読書74 『アルテミスの涙』

   下村敦史著

産婦人科医の水瀬真理亜と、脳神経外科医の高森は、江花病院に勤務している。同じ大学を卒業した同期である。

高森の患者の岸部愛華は、交通事故が原因で四肢が麻痺し、表情を変えることも、言葉を話すこともできない。【閉じ込め症候群】と診断され、七か月間入院している。
認知能力や精神機能は影響を受けないため、愛華には意識があり、見聞きすることができている。

ある日、愛華に嘔吐と出血の症状があり、検査したところ、妊娠していることがわかる。現在は妊娠十週目。
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これは一体どういうこと?

早い段階で、犯人がわかったのですが、とにかく、怒りと嫌悪しかありません。

愛華の両親は、中絶することを強く望みます。
真理亜は、何とかして愛華の意思を確認したく、コミュニケーションを取る方法をみつけます。そして、次第に真相が見えて来ます。

「患者への卑劣な犯行」「望んでいない妊娠」「子どもが自分の出生の理由を知ったら」「産んで、どうやって育てる?」
さまざまな憶測や思い込みの中で、何がよくてどうすることがいいのか。
「大事なことが見えていないのでは?」と、真理亜は悩みます。

印象に残っている場面は「これは愛です」の言葉の意味です。ネタバレになるところなので、詳しくは言えませんが🤭

とにかく、衝撃の事実には驚くばかりでした。そして、巧みなトリックです。

相手の思いを聞こうとする姿勢。尊厳とは?
自分のことを、わかろうとしてくれる人がいるだけで、どれほど力になることかを、ひしひしと感じました。

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