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読書92 『新宿の猫』
ドリアン助川著
構成作家の卵である山ちゃんは、何をやってもうまくいかず、明日の見えない闇の中でもがいていた。
そんなある夜、ぶらりと入った新宿ゴールデン街の小さな居酒屋「花梨花」で、野良猫を可愛がる、謎めいた夢ちゃんという女性の店員に出会う。
無愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに、山ちゃんは惹かれていく。
山ちゃんと夢ちゃんは、猫についての秘密を分け合い、大切な約束をするのだが・・・。
(公開されている概要から)
バブル期の新宿、ゴールデン街が舞台になっています。
個性豊かなお客さんたちも楽しいです。
印象に残ったところは、山ちゃんが師匠に対して、どうしても許せなくて取った行動です。
夢ちゃんは夢ちゃんで、山ちゃんとは違うところで、どうしても許せないことがあり、驚くことをしてしまいます。それは、猫にまつわることですが、それ以来、夢ちゃんは離れて行ってしまいます。
夢ちゃんについての話は、聞けば聞くほどつらすぎます。
それでも、二十五年後のラストでは、山ちゃんがあのときわからなかったことが、ちゃんとわかって、少し救われた思いがしました。
始めは、ドリアン助川さんの自伝かと思いましたが「著者が若い頃、色弱を理由に就職試験の機会を奪われたこと。新宿のとある素敵な居酒屋の冷蔵庫に『猫の家族図』が貼られていたこと。これら二つを除けば、この物語はフィクションです。実在する人物、団体とは猫のつま先ほども関係ごありません」と、最後に書かれていました。
どう表現したらいいのか。魂を揺さぶられる感覚でした。山ちゃんも夢ちゃんも、一生懸命、正直に生きてきてよかったと思いました。
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