読書158 『白ゆき紅ばら』
寺地はるな著
祐希は両親を知らない。父のいとこの娘である美奈子が祐希を引き取り、美奈子は志道と結婚して『のばらのいえ』を立ち上げた。
「『のばらのいえ』は、母と子を守る家です。食事と住まいを提供し、いずれは自立できるように仕事などを斡旋するします」そういう理想を掲げていた。
『のばらのいえ』に連れて来られた、紘果は祐希と同じ歳。紘果には保という兄がいる。保が暴れると手がつけられず、学校にも行かず、部屋から出ない。お風呂にも入らない。
おそらく、何らかの支援が必要なのはずなのに、志道も美奈子もどこにも連れて行かず、放置していた。
「保は祐希の言うことなら聞くから」と言って、志道も美奈子も祐希に任せたまま。
それどころが、『のばらの家』の家事も、祐希がやっていた。大人になりきれない大人が、偏った気持ちで、理想を掲げて福祉に関わるもうまくいかず、しかも入居者に「感謝がない」という不満をあからさまに出し、挙句、家事を祐希に丸投げという。さらには、ありえない行為の数々。
腹が立つばかりで、同情の余地がありませんでした。
祐希たちの未来はどうなっていくのか。
苦しみは簡単に消えないと思いますが、楽しいことやうれしいことをいっぱい経験して、心から笑える日が来るといいな。
「やっぱり寺地さん、好きだなー」と、思えるラストでした。
「しらゆきべにはな」は、グリム童話のお話だそうです。
私は知りませんでした。
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