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読書レビュー『イニシエーション・ラブ』

はじめに

こんにちは、Takaです。
今回紹介する一冊は、乾くるみの『イニシエーション・ラブ』です。
タイトルと言い、表紙の絵と言い、一見すると恋愛小説のようですが、実はかなり精巧に作られたミステリー小説です。内容もラスト二行目まで、ほぼ恋愛小説と言う、かなり変わり種の作品です。

概要

タイトル|イニシエーション・ラブ
作者  |乾くるみ
出版社 |文藝春秋
発売日 |2007/4/10

感想

この作品は、恋愛小説なのか、ミステリー小説なのか、かなりギリギリのラインに立っていると思います。最後から二行目で謎を提示されるため、普通に読むと99.9%恋愛小説として物語が進みます。ただし問題のラストを読むと、一気にこれまでの話が変貌するとともに、違和感に感じた部分も解消されます。「必ず二回読みたくなる」という謳い文句に、嘘偽りはありませんでした。

物語は大きく二部構成となっており、第一部は合コンで出会った二人の甘美でほろ苦い青春の物語、第二部は遠距離恋愛によるすれ違いの物語となります。
こういった青春や恋愛をテーマとした小説は全く読んだことありませんでしたが、そんな私でもスラスラと読めたので、そちらの要素としても十分楽しめる作品なのかもしれません。

私はミステリーであること、さらに「必ず二回読みたくなる」という要素も知った上で読みました。そのため違和感を感じたり、伏線だろうなと感じるポイントは幾つかあたりを付けていました。(一部、恋愛スキルの低さによる違和感もありましたが。)それでもラスト二行を読み、二回目を読んでみると、倍以上の伏線が散りばめられていることに気づかされました。

どんでん返しが好きな人や、自身で謎を解きたいと思う人、普通の恋愛小説に飽きた人など、幅広い読者層に受け入れられる小説だと思います。言葉選びや物語の構成など、かなり精巧に作られた作品だと感じました。

おわりに

今回は『イニシエーション・ラブ』を紹介しました。
読んでみるとかなり面白いミステリーなんですが、なかなか手に取るのは難しい作品かと思います。せっかく紹介記事を読んでいただけたのであれば、是非読んでみて欲しいです。


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