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読書レビュー『人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略』

はじめに

こんにちは、Takaです。
今回は、『人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略』を紹介します。

資産運用と老後は、切っても切り離せない問題です。特に年金については、しっかり理解していないと、払い損になってしまいます。「年金制度は崩壊するかも」なんて考えても意味のないことより、「どうすれば最適化できるのか」と建設的な考え方が、この本には載っています。

概要

タイトル|人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略
作者  |田村正之
出版社 |日経BP
発売日 |2021/12/16

感想

アベノミクス以降、投資推奨本や資産運用に関する書籍はたくさん発行されてきましたが、この本は年金に特化した書籍となります。公的年金制度の仕組みや今後の見通しなど、とても詳しく説明されています。投資自体には興味がなくとも、公的年金は全ての方に関わる内容ですので、興味のある部分だけ読むという形もアリかと思います。

やっぱり公的年金において、皆さんが気になるのは「年金制度は崩壊するのか?」だと思います。結論から言うと、破綻は無いとされています。そもそも年金制度が積立方式ではなく賦課方式であるため、労働者が存在する限り、制度は継続します。
少子高齢化によって賦課方式が持続できないため、積立方式に切り替えるべきという声も上がっていますが、インフレリスクと長生きリスクを考えると、あり得ないのでしょう。世界各国の年金制度が賦課方式に切り替えている理由も同じです。

また破綻まではいかずとも、給付額が減ることに関しても、ある程度限定的であるとの説明があります。そもそも年金給付額は、「物価・賃金の変動率」と「高齢化を調整するマクロ経済スライド」によって決められます。細かな説明は実際の書籍で確認いただきたいですが、現役世代と歩調を合わせる、よくできた仕組みが構築されています。

後半部分では、公的年金をフルで活用した上で、足りない部分をどうすべきかについて、説明があります。ちなみに足りない部分は人それぞれです。数年前に『老後2,000万円問題』なんて騒がれましたが、実際2,000万円で足りる人もいれば、足りない人もいます。自分にとって必要な額を計算し、老後破産しないようしっかりと準備をする必要があります。

この書籍の特徴として、自分で準備する以上に、公的年金をしっかり活用しようという趣旨の内容が多くあります。理由は終身給付にあります。やはり平均寿命が長くなる中、資産の切り崩しは大きなリスクを伴います。
例えば、現役時代を少しでも長く続けることで、繰り下げ給付を行い、給付額を増額させるなど、終身給付である公的年金を主軸に置くべきとの見解です。公的年金を損得で考えるのではなく、長生きリスクに対する保険であるというのが、全編を通しての著者の主張かと思います。

おわりに

今回は『人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略』を紹介しました。
以前から年金制度の崩壊については、過ぎた悲観論であると思っていましたが、この本を読んでみて、思ったり考えられた制度なんだなぁと印象を持ちました。避けて通ることの出来ないものなら、最大限利用しなければもったいないので、皆さんも是非勉強してみてください。

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