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読書レビュー『うしろから歩いてくる微笑』

はじめに

こんにちは、Takaです。
今回紹介する一冊は樋口有介の『うしろから歩いてくる微笑』です。
樋口有介と言えば、ハードボイルドもの、青春ミステリーといったジャンルの作品を数多く生み出された作家です。惜しくも2021年に亡くなられたため、新刊を待つことは出来ませんが、決して色褪せることのない作品ですので、紹介したいと思います。

概要

タイトル|うしろから歩いてくる微笑
作者  |樋口有介
出版社 |東京創元社
発売日 |2022/3/18

感想

この作品は樋口有介による〈柚木草平〉シリーズの第十二弾です。
〈柚木草平〉シリーズはハードボイルドものとしてとても面白く、必ず紹介したいと思っていました。本来であれば第一弾を紹介したかったのですが、読んだのがだいぶ昔だったので、今回は最新巻にしたいと思います。

〈柚木草平〉シリーズは所謂ハードボイルドものの作品です。主人公の柚木草平は警視庁捜査一課の元警部補であり、その経歴から刑事事件専門のフリーライターをやっています。様々な女性に振り回されながら、事件を調査し、時にはスクープを手にする、そんな物語です。

本シリーズの見どころは、柚木草平の言葉選びや言い回しの楽しさだと思います。本人は否定していますが、とにかく気取った言い回しが多く、その結果、女難に繋がります。日常生活では絶対聞くことのないやり取りは、小説の楽しみの一つでもあります。なかなかハードボイルドというジャンルは少ない中で、しっかりと楽しめるシリーズかと思います。

シリーズ第一弾は1990年に発売されておりますが、30年以上経った今でもすごく読みやすい文章で書かれています。まったく古さを感じさせない文章は本当に素晴らしいとお思います。

おわりに

今回は『うしろから歩いてくる微笑』を紹介しました。
今作からは登場人物も一変し、最終章に向けた構想も語られる中での訃報はとてもショックでした。私自身、これほど長期にわたって読み続けている作品は、他にはほとんどありません。どのような終わり方を考えていたのか、もう知ることが出来ないのは残念で仕方ありません。


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