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シェルに学んだシナリオプランニングの奥義④:シナリオ作りの4つのアプローチとフレームワークについて

読書ノート(104日目)
さて、本日もこちらの本を
紹介してみます。

シナリオプランニングは
VUCA時代で未来は予測できないものの
想定できるシナリオを複数考えることで
事前に備えておこう
、というそんな手法

今日はシナリオプランニングを
進める際の4つのアプローチと
フレームワークについてです。

アプローチとフレームワークの選択
・フレームワークとはシナリオ作品自身の基本構造
・シナリオ制作段階に入った時は、
 どのフレームワークを使うかを決める必要がある

・4つのアプローチ
①規範的か探索的か
・規範的アプローチ
(自社が現状説明モデル全体に影響力を行使できる場合、
 公共政策の場合などに多い)
・シナリオ作品にクライアントの利害にとって望ましい未来社会、
 今後目指したい未来社会を明示する
・探索的アプローチ
(自社が現状システム全体に影響力を行使できない場合。
 大半のケースはこれに該当)
・自社の願望には基づかず、世の中の多様な変化を
 そのまま複数のシナリオストーリーとして書く方法

②演繹的か帰納的か
・演繹的アプローチ
 遠い未来世界の有様から始める方法。
 「2035年の当社は、どのようなビジネス環境にいるだろうか」等
・帰納的アプローチ
 現在から未来に向けて順を追う方法。
 「2030年を考える際、25年、28年は何が変化しているだろうか」

・①×②で2×2で4象限の組合せができる
 アプローチの選択はシナリオ制作の方向を定めることになる

・演繹的アプローチの手順
 ワークショップで集まったデータカードを鳥瞰しながら
 初期の段階で複数の未来世界を描くためのフレームワークを決める
・この時の典型的なフレームワークは「十字架モデル」
 ※不確実性と影響度の高い2つの要素を基に、
  4つの異なる未来環境を描く
・帰納的アプローチの手順
 ワークショップで集めたカードを道筋が追えるストーリーに
 なるように時系列に並べていく。
 時間はかかるが、長期経営戦略検討にシナリオプランニングを
 用いる場合は帰納的アプローチの方が使い勝手が良いことが多い。
 自社が何年先に、どのような姿になるべきか、そのためにどうするかを
 トップマネジメント層が理解を共有し、時間軸に沿ってアクションを
 整合的に積み重ねて合意するという、実際の戦略検討の予行演習を
 シナリオプランニングで実現できる

・フレームワークの選択
 ①上流と下流
  自社が注目する重要な不確実テーマを上げ、
  なぜそうなるのか?(上流)と次にどうなるのか(下流)を考え、
  ストーリーを読み取り複数のシナリオを作っていく
 ②新しい重要な不確実要素の登場
  現状説明モデルの要諦は「クライアントが検討したい重要課題は、
  他の課題、他者の意図と関係しながら、クライアントにとっても
  他者にとっても、合理的説明ができる均衡があること」
  出来上がった現状説明モデルのうち、均衡を壊すかもしれない
  重要な不確実要素に注目し、もしこの要素が将来、強力に
  働き始めたら、現状説明モデルはどう変化するか、と自問する。
  その方向の展開が、シナリオストーリーになる
 ③メカニズム
  安定している現状を未来に変化させるきっかけやドライバーの
  存在に注目し、その「未来の動因」が全体システムを変化させる様子を
  説明できればシナリオのフレームワークになる
  例:シェルが未来社会をウィズコロナになると覚悟したシナリオ
    シェルが社会的に合意できる共通善として
    「豊かさ」「セキュリティ」「市民生活の健康」の3つと定めた
    これら3つの共通善の優先づけの違いが「未来の動因」として
    社会を異なった姿へ分岐させるとした。
    これで3つの異なるシナリオストーリー
    (豊かさ優先、セキュリティ優先、健康優先)が描ける
 ④十字架モデル
  
ワークショップで不確実性×影響度の2軸マップに各リスク要素を
  配置した時に、右上(不確実性が高く×影響度も大きい)2つを採用し
  そのリスクが好転したとき、悪化したときで4象限マップを描く。
  これにより4種類のシナリオを描くことができる
 ⑤様々な経路
  既に企業側が長期戦略目標を持っている場合に、
  その達成経路をシミュレーションするために利用
  未来のビジネス環境のシナリオを複数考えるが、
  ゴールは長期戦略目標に辿り着くように
  事前に複数の経路を検討しておくためのフレームワーク
 ⑥公式の未来と脱線
  企業が策定した長期戦略に対し、策定当時の想定の妥当性を
  再検討するためのフレームワーク
  現在見えている事象から将来を見通した「未来の公式」に対し、
  別のロジックで導かれる別の姿の未来に脱線させてみる。
  組織の隅から隅まで「公式の未来システム」がしがらみ、
  絡みまくっているときこそ現状を変えにくくしており、
  経営層が大変化の兆しに気づかせるために活用することもある

シナリオプランニングも、
より具体的な内容になってきました。
そして、文字だけでは説明が難しく…
ただの自分のためのメモ書きのように
なってしまいました…

本書を理解するための参考になればと思い
本書の著者の方が書かれたWEB記事が
ありましたので合わせて紹介しておきます。

シナリオプランニングには
様々なアプローチやフレームワークは
あるものの、本書の中で割と多くの
ページを費やして紹介されていたのは
「十字架モデル」だったので
まずはこのフレームワークを
自分自身で試してみる…
というのが練習としては良さそうです。

自分自身のシナリオを考えるなら、
テーマとしては
「2年後の2025年、僕はどのように
 会社や社会に貢献しているだろうか」

のような感じでしょうか

これは数時間くらい
ちゃんと時間を割かないと
中途半端に終わってしまいそうですが、
今月どこかで、個人ワークでやってみるのも
本書の学びの定着にもなりそうですし
面白そうにも思います。

ということで、今日はこの辺で!
それではまた―!😉✨

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