(3/3)取って満足してない?男性の育児休業の期間が短期では足りない3つの理由
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男性の育児休業の取得について、「取ったほうがいいよ!」「素敵な時間になるよ!」というキラキラ投稿ではなく、「発達段階に応じて子育てにはどんなフェーズが待っているかを知り、それらを考慮して育児休業取得の時期や長さを考えよう」という切り口で記事をお届けしています。
育児休業取得に悩む人
育児休業取得の時期や長さに悩む人
はぜひ続きを読んでみてください。
(今回は便宜上、「3カ月未満」で、「お子さんが生まれてすぐ」の育休を想定して記事を書いていきます)
③時間が経つにつれてママの精神衛生を保てない要因は変化していく
いわゆる「産後うつ(マタニティブルー)」についての詳しい原因や症状についてはリンク先をご覧ください。
産後うつを防ぎ、ママを支えようという思いで育児休業を取得した方、もしくは取得しようと考えている方は、本当に素晴らしいです。
とはいえ、「産後うつというほどではないけれど、やっぱりしんどい」という思いを抱えているママは多いです。(もしかしたら全員そうなのでは?)
「産後の気分の落ち込みさえ乗り越えれば大丈夫」ではありません。
育児に徐々に慣れてくれば、今度は育児に対する不安だけでなく、他のストレスや心配事がママの心にのしかかってきます。
育児に対する不安
ワンオペによるパートナーへの不満
赤ちゃんとの1対1の生活で気が滅入る(上の兄姉も含め)
社会からの隔絶・貢献感の低下
孤立感からくる人とのつながりの渇望
収入面・経済面の不安
両親・義両親との関係
周りの目が気になる・しつけストレス
睡眠不足・疲労
自分の時間がない・リフレッシュできない
悩みの数や深刻さには個人差がありますし、性格や置かれている環境によっても様々です。
最初はざっくりと「産後うつを防ぎ、ママを支えよう」と考えていた方も、時間が経つにつれ徐々にママの悩みの解像度が上がっていくことに気付くはずです。
私の妻は育児休業中の収入面が精神衛生を損ねる悩みの種だったので、夫婦でなるべく節約をして過ごしました。
外食を控え、おもちゃの棚やベビーサークルは既製品ではなくDIY。
でもその分、妻の趣味である作家さんの素敵な器を買ったり、キッチン家電(ヨーグルトメーカーやソーダストリーム)を購入したりしてQOLを上げるようにしました。
私も時々息抜きをさせてもらいましたが、時には私のせいでストレスをかけてしまったこともあるかもしれません。
「育休は「休業」であって「休暇」ではない」と先輩パパNoterさんたちがいろいろな記事で書いていますが、全くその通りです。
育休中に自分にばかりベクトルを向けることのないように、この時期だけはママを中心に世界を回しましょう。
育児休業中のママのストレスについて、「解決」よりもまずは「傾聴」
私たち大人の男は、こうした状況に対して
問題分析を行う
具体的な解決策を探り、アイデアを出す
改善のための取り組みを絞り込む
実際に取り組む
総括し、次への課題を明らかにする
みたいな感じで建設的かつ効率的に問題解決に取り組もうとします。
はい、ストップ。
それ、少なくとも一番最初は求められていません。
私たちが一番意識しなければいけないのは、「ママの気持ちを大切に」です。
男性脳と女性脳の大きな違いだと思いますが、まずはママの思いを受け止めるところからがスタートです。
野球で例えるなら、先攻はいつだってママ。
そして、打者一巡の猛攻に耐えるのがパパのあるべき姿勢です。
その間も親身になって相づちやアイコンタクトをしましょう。
決して球数を節約して効率よくアウトを取ることを考えてはいけません。
仮に自分のターンになったとしても、「今日はどうだった?」「いつもありがとう」が基本です。
だんだんとママがすっきりしてきた頃に、「今度の土曜日に○○しようか?」「一緒に△△を試してみようか」と、主体的に自分の考えを言いつつ、ママの思いとすり合わせながら夫婦の力を合わせていく方向で話を進めましょう。
ママの思いを十分に受け止めてから建設的な話し合いができれば、ママの満足度は大きく上がります。(私はこのことで何度も妻に注意されています)
子育てにパパが前向きだとママやお子さんからの信頼度・満足度も上がり、お子さんのコミュニケーション力や社会性も向上します。
逆にこの時期のパパの行動が家族関係・夫婦関係に大きな傷を残すこともあります。
この時期こそパパは「この先どんな風にママや子どもに関わってもらいたいか」を想像することが大事です。
10年、20年、30年経ってもパートナーや子どもに好かれる父親になるんだという思いを胸に、子育てに関わりましょう。
男性の育児休業取得の最大のメリットは「我が子のかわいさや子育てのおもしろさをその瞬間に共有できること」By妻
ママが日々感じている、
「最近、○○が大変なの」
「ちょっと△△に悩んでて・・・」
といった大変さや不安、悩みはもちろんよく聞き、受け止めなければいけません。しかし、それ以上に、
「こんな成長があったよ」
「こんなにかわいい行動があったよ」
「こんな面白エピソードがあったよ」
という話題が夫婦で共有され、その数が増えていったとしたら、子育てのおもしろさや我が子のかわいさを再確認し、
「よし、明日もがんばるぞ」
「明日はどんなおもしろいことが起きるかな」
と、ママもエネルギーをチャージできます。
ママにとって一番の支援はこれなのではないかと思います。
子育てに「ありもしない正解」を求めるのではなく、目の前の子どもとの「我が家流の最高」を楽しむ。
それが積み重なっていけば、ママ、パパの子育てに対するハードルが少しずつ下がり、お子さんはたくましく成長していくはずです。
そんな「我が家流の最高の瞬間」をパパも一緒に味わえるのが、「男性の育児休業の取得」という選択なのです。
家族の状況によって取得の期間は様々です。
仕事のキャリア、収入、兄姉の有無、実家・義実家との連携、里帰り出産・・・と、様々な要因が絡み合っていくものなので、「ベストは◯カ月」なんてとても言えません。
夫婦でよく話し合って決めるのが一番です。
ただ、少なくとも周りの目を気にしすぎて育休が取れなかったり、短すぎたりするのはよくないかな、と思います。
ママの不安はもちろん、お互いの子育て観や人生設計に至るまで、腹を割ってていねいに話し合いをすることが、お子さんも含めた家族の絆をより強くしていくことにつながります。
まだまだ「育児休業取得が当たり前」というレベルにまで社会通念が達しているとは言えませんが、先輩パパ、先輩ママがこれから子育てを迎える人たちに育児休業を積極的に進めていけるようにしたいものです。
少なくとも私の同僚には、育児休業の素晴らしさを伝えていけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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