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カロリーとは何か?
「カロリー」という言葉は、日常の会話や健康情報の中で頻繁に聞かれるものです。
体重管理やダイエットを語るときに欠かせない概念ですが、具体的にカロリーとは何を意味し、どのように体に影響を与えるのかを理解している人は意外と少ないように感じます。
本記事では、カロリーの基本から始めて、摂取カロリーと消費カロリーのバランス、食事管理におけるポイント、そして健康的なカロリー管理の方法について説明していきます。
1 カロリーとは
カロリーとは、エネルギーの単位であり、特に食物が体に供給するエネルギーを示すときに用いられます。
科学的には、1カロリーは1グラムの水の温度を1度摂氏上昇させるために必要なエネルギー量を指します。
ただし、私たちが日常的に「カロリー」という際には、一般的にキロカロリー(kcal)を指しており、1 kcalは1,000カロリーに相当します。
2 摂取カロリーと消費カロリーの関係
体重管理やダイエットでは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが重要です。
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、
余ったエネルギーは体内に脂肪として蓄積され、
体重が増加します。
一方で、
消費カロリーが摂取カロリーを上回ると
体重が減少します。
(1) 摂取カロリー
摂取カロリーは、食事や飲み物を通じて体内に取り込むエネルギーの量です。
食物中の主要なエネルギー源は、炭水化物、タンパク質、脂質であり、これらの栄養素はそれぞれ異なるカロリー量を供給します。
①炭水化物
1gあたり約4 kcalのエネルギーを供給。
主に血糖として体内で利用され、脳や筋肉などにとっての主要なエネルギー源です。
②タンパク質
1gあたり約4 kcaのエネルギーを供給。
エネルギー源として使用されることもありますが、主に体の組織や筋肉の構築、修復に重要です。
③脂質
1gあたり約9 kcalのエネルギーを供給。
最も高いエネルギー密度を持ちます。
長期的なエネルギー貯蔵として働き、体を保温し、細胞膜の構成にも寄与します。
炭水化物 :1gあたり約4kcal
タンパク質:1gあたり約4kcal
脂質 :1gあたり約9kcal
このように、摂取カロリーは食物中の栄養素の種類によって異なる量のエネルギーを供給し、私たちの活動や生命維持を支えています。
(2) 消費カロリー
消費カロリーは、基礎代謝、活動代謝、食事誘発性熱産生などを通じて消費されるエネルギーです。
①基礎代謝:BMR(Basal Metabolic Rate)
基礎代謝とは、体が安静時に生命維持のために消費するエネルギー量です。
内臓の働きや呼吸、体温維持に必要なエネルギーを含み、年齢、性別、筋肉量などによって異なります。
一般的に、筋肉量が多いほど基礎代謝が高くなります。
②活動代謝:PA(Physical Activity)
活動代謝とは、日常の身体活動によって消費されるエネルギーのことを指します。
これは、基礎代謝(BMR)によって消費されるエネルギーとは別に、運動や活動によって追加で消費されるエネルギーです。
活動代謝には、以下のような活動が含まれます。
・運動:Ex(Exercise)
ランニング、ジムでのトレーニング、スポーツなどの意図的な運動。
・日常生活の動作:ADL(Activities of Daily Living)
日々の生活の中で行われるすべての身体活動を指し、歩行、掃除、立ち仕事、料理などが含まれます。
・非運動性熱産生:NEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis)
日常生活の中での非運動的な身体活動によって消費されるエネルギーを指します。NEATには、無意識の動きや習慣的な身体活動(例えば、座りながらの体の揺れ、足踏み、立っている時の軽い体重移動など)が含まれます。
活動代謝は、個人のライフスタイルや職業、運動習慣によって大きく異なります。
総エネルギー消費量の中で、活動代謝は運動量が多い人ほど重要な割合を占めます。
活動代謝を増やすことは、体重管理や健康維持において非常に効果的です。
③食事誘発性熱産生:DIT(Diet-Induced Thermogenesis)
食事誘発性熱産生とは、食事後に消化、吸収、代謝の過程で消費されるエネルギーのことです。
食べ物を消化して栄養を体内で利用可能な形に変えるために必要なエネルギーで、総摂取カロリーの約10%程度がDITとして消費されます。
上記のBMR、活動代謝、DITを合わせた、1日に消費される総エネルギー量はTDEE(Total Daily Energy Expenditure)といいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1730600085-0LN4rKlXR7jwgWxGtzFd1fa5.png?width=1200)
TDEEの内訳
BRM:約60-75%
PA:約15-30%
(EX:20-40%、ADL:30-50%、NEAT:15-30%)
DIT:約10%
3 カロリー計算と食事管理のポイント
適切なカロリー管理を行うためには、日々の摂取カロリーを把握することが第一歩です。
以下は、摂取カロリーを調整し、健康的な食生活を実現するための具体的なポイントです。
(1) 食事の記録とカロリー管理
カロリー管理には、食事を記録する習慣が有効です。
最近では、スマートフォンアプリを使用して摂取カロリーを簡単に記録し、目標に対する進捗を確認できるツールが数多くあります。
これにより、自分がどれくらいのカロリーを消費しているかを具体的に把握しやすくなります。
私のオススメは、「あすけん」というアプリです。
私自身がダイエットを開始して翌月から使用し始めました。
それまでは一食一食をネットで調べて体組成計アプリの摂取カロリー管理欄に入力していたので、手間がかなり楽になりました。
「あすけん」に関しては、また別の機会に紹介します。
(2) 食材選びの工夫
カロリーを管理するためには、食材選びが重要です。
カロリーが低い食材を選び、全体の摂取カロリーを抑えることができます。例えば、野菜や果物は低カロリーで栄養価が高いため、食事に積極的に取り入れたいです。
また、脂質が多い食品を控えることでカロリーの摂取を減らせます。
(3) 調理法の見直し
カロリー管理は調理法にも影響されます。
油を使わずに調理する方法や、蒸し料理、茹で料理を取り入れることでカロリーを抑えることが可能です。
揚げ物よりもグリルや蒸し料理の方が、カロリー摂取量を減らす助けとなります。
(4) 食事のタイミングと回数
食事回数を増やして少量ずつ食べる方法も、カロリー管理に役立ちます。
これにより、空腹感を抑えつつ、過食を防ぎやすくなります。
4 健康的なカロリー管理
カロリー管理は、単に摂取量を減らすだけではなく、全体の栄養バランスを考慮することが大切です。
極端なカロリー制限は一時的に体重を減らすことができるかもしれませんが、筋肉量の減少や代謝の低下を招き、リバウンドのリスクを高める可能性があります。
持続可能な方法で、バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせることが、健康的な体重管理において重要です。
(1) 栄養バランスの維持
摂取カロリーを制限する際も、タンパク質、脂質、炭水化物やビタミン、ミネラルなどの必要な栄養素は確保する必要があります。
偏った食事は栄養不足を引き起こし、体調不良や疲労感を招くことがあります。
三大栄養素の摂取目安
タンパク質:総カロリーの10-35%
脂質:総カロリーの20-35%
炭水化物:総カロリーの45-65%
(2) 持続可能な方法を選ぶ
健康的なカロリー管理は、生活の一部として持続可能であることが求められます。
急激な食事制限や過剰な運動は、長続きしないばかりか、健康を損なうリスクがあります。
適切な目標を設定し、徐々に習慣化することで、無理なくカロリー管理を続けられます。
5 BMRとTDEEを計算してみよう
基礎代謝(BMR)と総消費カロリー(TDEE)を把握することで、ダイエット中に摂取すべきカロリーの目安がわかります。
一般的には、BMR+200kcal ~ TDEE-500kcalの間のカロリー摂取が推奨されます。
※TDEEから約500kcalを引いた値がBMRを下回る場合は、運動などの活動代謝を増やしTDEEを高めることをオススメします。
(1) 基礎代謝(BMR)の計算
ハリス-ベネディクト方程式(日本人用修正版)を用いた計算式
男性のBMR=66 + 13.7×体重kg + 5.0×身長cm – 6.8×年齢
女性のBMR=665.1 + 9.6×体重kg + 1.7×身長cm - 7.0×年齢
(2) 総消費カロリー(TDEE)の計算式
TDEEは、基礎代謝に日常の活動レベルを掛け算して求めます。
以下の活動レベルに基づいた係数を使用します。
座りがちな生活(ほとんど運動しない): 1.2
軽い運動(週1-3日の運動): 1.375
中程度の運動(週3-5日の運動): 1.55
激しい運動(週6-7回の運動): 1.725
非常にハードな運動: 1.9
TDEE= BMR × 活動レベル係数
(3) 計算ツールの紹介
下記のサイトで、体重、身長、年齢、性別、活動レベルを入力すると、基礎代謝(BMR)と総消費カロリー(TDEE)が計算できます。
まとめ
カロリーの理解は、健康的な体重管理や全体的な健康維持において欠かせません。
摂取カロリーと消費カロリーのバランスを意識し、日々の食事や生活習慣を見直すことで、理想的な体重を維持し、長期的な健康を保つことが可能です。
カロリー管理を取り入れた食生活は、短期的な目標達成だけでなく、健康的で持続可能なライフスタイルの確立にも寄与します。