(小説)笈の花かご #7
1章 長崎への旅⑶
スイデン夫婦は、長崎への旅でイチョウの実家に招かれ、数々のご
馳走で持てなされ、歓待をうけた。
2人は懐かしい長崎の味を堪能した。
それに加えて、久し振りに長崎弁のシャワー浴びた。
老人ホーム探しがうまくいかず、スイデンとイチョウは疲れ切っていたが、実家に集まった人々の懐かしい長崎弁に囲まれて、すっかり癒やされた。
とりわけ、弟・正人の長崎弁は、独特の長崎弁であった。
正人の話す言葉には、ところどころに、母親の言い回しや抑揚が混じっていた。母親の育った外