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設立3年目のベンチャー。ウソっぽいビジョンはやめて、“本音”でミッションを刷新しました。

2021年5月より、転職支援事業や、人事コンサルティング、地域活性化事業を展開してきたInteras(インテラス)。このたび、経営理念を刷新しました。

その内容がこちら。

①ミッションのリニューアル
②フィロソフィーの策定
③バリューの再定義
④クレドの策定

今回は、刷新した経営理念に込めた想いや、策定の背景などを詳しくお話ししようと思います。

経営者3年目を迎えた今の率直な想いを書いているので、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。


ミッション:可能性を照らす。活躍とつなぐ。

まずは、リニューアルしたミッションを紹介させてください。

刷新したミッション

ミッション:可能性を照らす。活躍とつなぐ。

ミッションとは、社会に果たす使命・価値のことです。

これから、僕たちInterasがつくりたい価値は、すべての人が自分の可能性を活かして、ワクワクしながら生きている世界。

どんな人も「可能性=ポテンシャル」を持っていますが、社会のなかにはそれを上手く発揮してイキイキと活躍できている人もいれば、くすぶっている人もたくさんいる。

僕たちは、後者の背中を押し、彼らの可能性を開花させられる存在でありたいと思っています。

ただ、可能性は一朝一夕に見つかるものではないからこそ、一緒に「可能性を探る」ところから始めたい。

たとえ今は自分に自信がなくても、「ここ、いいところじゃん!あなたの強みだよ」と見つけてくれる存在によって、その人の可能性は少しずつ芽吹いていくと信じているから。

そして、見つけた可能性を活かしながらワクワクして生きる人を増やすために、「彼らが活躍できるフィールド」も用意する。

僕たちは、可能性を照らすだけでなく、人の成長に伴走して活躍とつなぐところまでを支援していきます。

フィロソフィー:持ち味が発揮される「人」と「場」を創るプロデューサー

続いて、Interasの経営理念に新しく追加したフィロソフィーがこちらです。

新たに策定したフィロソフィー

フィロソフィー:持ち味が発揮される「人」と「場」を創るプロデューサー

フィロソフィーとは、先ほど挙げたミッションを達成するために、自分たちが大切にしていく精神のこと。

Interasは、持ち味が発揮される「人」と「場」をプロデュースすることで、人々の可能性を照らしていきたいと考えています。

昨今使われている“個性”という言葉はあまりにポジティブで、どこか綺麗事に聞こえてしまう。

だから、その人のいいところやダメなところ、強みや弱みなど、人間らしい泥臭い部分もすべて含んだ“持ち味”という言葉を選びました。

現状をなんとか変えようとしている人のために、社会で発揮できる“持ち味”を一緒に探し、情報や喜怒哀楽を共有できる、人や組織との出会いの場を創る。

僕たちは、人と場の両方の支援を通じて、持ち味が発揮される社会を創り出すプロデューサーでありたいと思っています。

なぜ、経営理念を刷新したのか?

なぜこのタイミングで経営理念を刷新しようと思ったのか。それには、2つの理由があります。

「HR領域」だけにこだわる必要はないと気付いた

もともと、Interasの旧ミッションは、「働くひとと企業が、照らしあう明日へ」でした。

ここで対象としていたのは、あくまで「働くひと」

つまり、HR領域に絞ったミッションを掲げていました。Interasの事業の柱はHRであり、それがやるべきことだと信じていたから。

一方で、僕はInterasを設立してから今日まで、「自分の関わる人が目指したいことは、何であれ全力で応援したい」というスタンスで歩みを進めてきました。

それは、企業や転職者、メンバーに留まらず、友人や日々お世話になっている方に対してもそう。たとえ、事業とはまったく関係のない領域だったとしても、全力で背中を押したいと、本気で思っています。

Interasは創業期で、メンバーも少ないからこそ、個人と会社は一心同体だと思っています。だからこそ、「自分」を主語にして本当に成し遂げたいことを考え、その本音をミッションに策定すべきだと考えました。

僕がつくりたいのは「人の可能性が照らされて、活躍とつながる世界」であって、必ずしもHR領域にこだわらなくてもいい。

そんな、自分自身が「人生を通して、生涯を通じて届けていきたいこと」に気付いたからこそ、このタイミングでミッションを刷新する必要があると感じました。

“自分の本音”を仲間に伝える必要性を感じた

一方で、そんな自分の本音を、会社として掲げていくことに迷いもありました。

「もし、まわりに共感されなかったら」「応援されなかったら」

そう思うと、なかなか言葉として表に出せない自分がいて…。Interasとして目指したい未来をメンバーに伝えたり、外部の人に語ったりすることが怖かったんです。

本音を伝えていないからこそ、僕が心から目指したいものというより、僕のキャラや繋がりを通じて、人が集まっている感覚があった。

でも、ある日お世話になっているメンターから言われた言葉にハッとしました。

お前には未来を語る力が足りない——。

たしかに、まわりを見渡してみると、自分が尊敬する経営者たちは「できるかどうか」よりも「やる」覚悟を持って、未来を語れる人たちばかり。応援される人はみんな、「自分はこれがやりたい」という意思を持って、言葉として表現している。

そもそも、Interasにはさまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まっていて、オンラインで仕事をすることが当たり前。そのなかで、自分が抱えている想いに対して行間を読んでもらって、理解を求めるには限界があります。

まわりからの批判を恐れて、思っていることを言葉にしないままでは、会社を成長させることはできません。

これまで僕の発言や行動から、大事にしている価値観を察して付いてきてくれた仲間たち。

その包容力に甘えるのではなく、今ここで世の中に届けたい価値、つまり「経営理念」をあらためて言葉にして、より組織としての向心力を高めていこうと刷新を決断しました。

経営理念策定のポイント

今回の策定にあたり、「Interasらしい」と感じているポイントが3つあります。

①“みんな”ではなく、“1人”でつくる
②新たに“フィロソフィー”を策定
③あえて“ビジョン”はつくらない

それぞれ、具体的にお話ししていきます。

①“みんな”ではなく、“1人”でつくる

今回は、組織開発・ブランディングができる友人に言語化の協力をしてもらいつつ、“自分”を起点に理念を考えたことから、策定は主に1人で進めていきました。

実は、もともとは、メンバーと一緒に策定しようと思っていたんです。

でも、その友人に相談した際に「それぞれの意見のいいとこ取りをした結果、抽象度が高すぎる理念になるのは避けたほうがいい。たいぞーは、周りに意見を聞きすぎて、結局周りに気を遣って納得するものができない可能性があるし、創業フェーズでは、自分の“本音”を掲げて、求心力を高めることが大切だと思うよ」とアドバイスをもらって。

自分の本音がつまった理念を策定する→仲間たちに伝える→内容を自分ごと化してもらい、主語を「たいぞーは」から「私たちは」で語れるようになる、という流れを想定して、今回の策定に取り掛かりました。

②新たに“フィロソフィー”を策定

プロセスとしては最初に“フィロソフィー”、次に“ミッション”を決めたのですが、“フィロソフィーって、一般的な経営理念には含まれてないですよね。

▼一般的な経営理念の4要素
・ミッション:社会に果たす使命・価値
・ビジョン:実現したい未来。目指し続ける北極星
・バリュー:共通の価値観・あるべき存在
・クレド:行動指針

▼Interasの経営理念の4要素
・ミッション:社会に果たす使命・価値
・フィロソフィー:自分たちが大切にする精神・哲学
・バリュー:共通の価値観・あるべき存在
・クレド:行動指針

…というように、本来は“ビジョン”を定めるのが一般的。

それでも、今回あえて“フィロソフィー”を策定したのは、「自分が1番したいこと」を考えた結果、その言葉にもっともあう定義が“フィロソフィー”だったから。

きっかけは、策定プロセスの最初の段階で、ミッション策定に協力してくれた友人から、こんな質問をもらったことでした。

あなたのもとに、Interasで働くことを検討する若者が訪れました。
あなたはInterasのことをどのように紹介するでしょうか。

この問いを与えられたとき、考える間もなく自分から出てきたのがこの言葉だったんです。

Interasは、“人”と“場”をプロデュースする集団です

これまでも、これからも、Interasとしてやりたいことはこれに尽きる

そこで、まずは自分が1番やりたいこと=『持ち味が発揮される「人」と「場」を創るプロデューサー』が、経営理念のどこに当てはまるのかを考えるところからスタート

社会に果たすべき使命・価値(ミッション)としてはわかりづらいし、実現したい未来(ビジョン)でもない。価値観(バリュー)というよりはInterasとしての宣言に近いような感じだし、行動指針(クレド)にしては抽象度が高すぎる…。でも会社としては定めたい…。

熟慮の末、1番しっくりきたのが、“フィロソフィー(自分たちが大切にする精神・哲学)”だったことから、新たに策定することを決めました。

フィロソフィー=プレースタイル(サッカーに例えると)

③今はあえて“ビジョン”はつくらない

経営理念に基本含まれる“ビジョン”を定めなかったのは、本音で自分と向き合った結果、現状ぴったりな言葉が見つからなかったことと、「ビジョンはどんどんアップデートされるもの」と感じたから。

ビジョンの一つの定義として、“目指すべき、目指したい北極星”だと言われますが、自分にとっての"北極星"を何日も考えても、お恥ずかしながら思いつかなかったんです。もちろん目指したい世界はあります。ただ、北極星と言われると・・
そんな気持ちで無理やり定めても、誰もついてこない、メンバーの幸せ、自分の幸せを犠牲にする可能性があると思ったんです。

また、ビジョンや目指したい姿は、事業フェーズやその時の状況によってどんどん変化、アップデートしていくもの。

現時点で、本音で、本気で実現したい未来がないのであれば、無理にビジョンとして急いで策定する必要はないと判断しました。

もちろん、みんなが同じ方向を目指して意欲高く取り組むことは大事。というか絶対に必要。なので、適宜社内のメンバーへは月1の共有会で目指したい姿を共有しつつ、その言葉が固まった段階で、自分の言葉が見つかった時点で皆さんに共有していく可能性はあると思っています

次回はバリュー・クレドのお話を

Interasはまだまだ成長途中の会社なので、大企業と比べると、社会的に果たす影響はまだ大きくはないかもしれません。

実際に私のまわりには「日本のため」「世界のため」を考えて、ビジョン、ミッションとして掲げている経営者もたくさんいて。

彼らの解像度の高さに「日本や世界を主語にしている人って、めちゃくちゃかっこいいな…」と羨ましく感じることもあります。

でも、今は背伸びはしない。

まずは「自分が」何をしたいかを起点に考えたうえで、その実現のために「どうあるべきか」「どうすべきか」を定めることが大切だと判断しました。

今回刷新した経営理念は、過去のものから何かを大きく変えたわけではありません。

ただ、その信念をあらためて言語化して、今の創業フェーズに合った言葉に落とし込むことで、メンバーにとっても、自分にとっても、納得感が高い経営理念へと生まれ変わることができたと思っています。

今回の刷新に際して、バリューの再定義とクレドの策定もしたのですが、これまた語りたい想いが山ほどある(このままだと1万字くらいいきそう)ので、バリュー・クレドについては、また次の記事でお話できればと思います。

最後まで読んでくれて本当にありがとうございました。
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石原泰三
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