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(5)最大都市と首都を行ったり来たり(2024.7改)

接収した旧ミャンマー軍幹部の古い丸目4灯のベ○ツEクラスのワゴン車を、PB Motors社のラングーン支社で改修した。
2500ccのガソリンエンジンを、自社製2200ccのディーゼルハイブリッドエンジンに載せ替え、5速ATを自社製7速ATに換装し、AI Navi「Aileen」を搭載した。

モリは後部座席でリタの教え子のサラと座り、シャン族の特殊部隊出身のメイド長リタは助手席に座る。運転席では操舵ロボがハンドルを握っている。
「旦那様、2台後ろの2灯の丸目ライトの車が、ずっと後を付いてきます」
助手席のリタが、後席を振り返らずに言う。

「アイリーン、丸ライトだと古いゴルフかな?」操舵ロボットとAI Naviはリンクしており、ロボットのスピーカーからAileenが応える。
「珍しいシルバー塗装のゴルフⅡです、左ハンドルですね。モリさんが欲しがりそうだ・・」

「ビルマの中古車はパスしたいな。後方のドラレコの静止画を赤外線撮影してAI解析、モニターに表示してくれ」

「了解しました。暫くお待ちください」

米国の大統領補佐官一行がビルマ入りし、軍の派遣を要請してきたのを受けて、ビルマ大統領名で軍関係者を招集を掛けた。総司令官が国内に居るのだから、欠席する訳にはいかない。
メイド長というよりも護衛としてのリタとサラを連れて、ラングーンから首都のバーマ(旧ネピドー)へ車で向かっていた。バーマの私邸に居るアリア、桜田、斉木と合流する。

「解析終了、画像表示します。該当人物は助手席の女性だけ、運転手は分かりません。ラングーンの中国大使館員 胡耀華 氏です」
アイリーンがナビ用モニターと後席用モニターに写真を表示する。
「綺麗なひと・・」 隣席のサラがモニターを見ながら呟くので笑う。

「サラ、相手はどうでもいいでしょ。それより、想定されるケースと対策を言いなさい」

「失礼いたしましたマスター。助手席に居るので女は銃を所持し、撃つポジションにあるので攻撃される可能性がゼロでは有りません。ドローンを飛ばして警戒態勢に入るのと同時に、万が一に備えて3人共銃を取り出せるよう準備を整えます」

「ドローンは何機がいいと思う?」
「1機で十分だと思います。夜間用の黒塗装無灯火タイプを飛ばします」

「OK、ドローンの準備に掛かりなさい」 
リタが振り返ってサラを見据えて、ニッコリ笑う。いい教官だ、メイド長にしておくのが、勿体ない。

「はい、マスター」 サラはモリに「失礼します」というと、自分のシートベルトを外して後席中央のアームレストを取り出し、自身の背中のシートを前に押し倒すと、ワゴン車のトランクエリアから30cmスクエアの黒いドローンを取り出す。ドローンには銃口が2つあり、弾倉に装填された銃弾数のチェックをサラが行うとハッチを閉じて、ドローンを起動する。

リタは助手席のコンパートメントからホルスターに入ったモリの銃を取り出すと、後席のモリに​両手で渡した。腰にベルト状のホルスターを装着すると、レッドスター社がライセンス製造しているビルマ工場製の愛用のベレッタの弾倉を確認し、再度収納する。

ワゴン車のリアハッチ内には、リタとサラのマシンガンで同じくライセンス契約しているウージー2式とモリのライフルAk47 2丁が入っている。
旧ミャンマー軍資本の工場を接収して部品精度を高めており、オリジナルより上回っている。

「アイリーン、ドローンとのリンクをお願いします」 
サラがAIに要請する。完全に“対等”の存在として見なしている。先日、バーマからラングーンまでの移動の際は理解できずに混乱しているようだったが。

「了解・・コネクト開始・・リンク終了、サラさん、ドローンを外に出す準備をして下さい」
「分かりました」 
サラは右席のパワーウィンドウを下ろす。
ビルマは英国の植民地だったが10年前位に右側通行になった。中国による右ハンドルの日本の中古車潰しが狙いだと言われていたが、真偽の程は定かではない。
因みに、PB Motors社は左ハンドルの中古車を持ち運んでいる。当時の車線変更で交通事故が多発したらしいので、今更元に戻したら混乱するだけだ。

首都に近づいたのだろう、ラングーンとは異なる湿度の低い空気が室内に入ってくる。AI・アイリーンがカウントダウンを始める。
「仮装エンスト開始まで、5秒前。 車線の右側に寄って一時停車します。 3・2・1 ゼロ 煙幕!サラさん、ドローンはまだ出さないでもうちょっと待ってください、煙幕が思ったほど広がらないんです・・よし、今だサラさん!」

AIアイリーンが言うと、サラがドローンを乗せたまま右手を伸ばすと、ドローンが勝手に飛翔してゆく・・と、言っても夜で、周囲には照明も無いので、モリには飛んでゆく様は全く見えない。

「アイリーン、ボンネット開けてくれ、リタとサラは車内で待機」
「旦那さま、いけません!」
「射撃能力が一番なのは誰だっけ? それにリタはエンジン知らないでしょ、任せといて」
とドアを開けて、外に出る。田園地帯で道路に灯りは無い。蛙がゲコゲコ鳴いている。この大合唱はカモフラージュになると思った。

進行方向を見ると、追い抜いて行った車両の一台が左折して一本道を走ってゆく。

曲がりしなに後続車両の照明で照らされて、シルバーのハッチバック車であるのが見えた。適当な場所で無灯火でユーターンして、こちらの様子を伺うつもりだろう。

「リタ、敵の発砲反応に注意して貰える?」
「分かりました」
 目算で500M以上は離れてはいるが、ライフル銃の場合、発砲音は音速なので後で届く。なので、銃口から放たれる際の“発射光”をリタに監視して貰う。“発砲音”を頼りにしてはいけない。

作戦自体はオーバーヒートの偽装なので、エンジン内のラジエターをチェックしている時は、相手に背中を見せる事になる。リタが止めろと進言したのは、そういう意味だ。

「旦那さま、車両は直線距離で740mの場所でエンジンを停止した状態で止まっています。社内の2人は車外に出て、双眼鏡のようなもの・・赤外線暗視カメラでしょう、それでこちらを見ています」

ドローンの映像が届いたのだろう。リタが車内から知らせてくれる。

「リタ、アイリーンに聞いてみてくれ、ドローンは敵に感づかれていないかどうか?」

相手は大使館員ではなく、工作員か諜報員の類だろうと思っていた。女性の肩が撫で肩ではなく、スポーツ選手のような肩をしていたからだ。

「相手はドローンを探したり、振り返ったりしていません。ノイズキャンセラーが作用しているのだとと思います・・蛙の合唱も良いですね、追い風です」

「降車している2人は車のフロントとリアのどちらに居る?」

「タイヤを撃つのでしょうか?ボンネット側に居るので、リアのタイヤをサイレンサーで極力消音させて狙います」

「了解。では、やっちゃいますか。そうだな、狙撃後3km先でドローンを回収としよう。よし、偽装修了。エンジンスタート願います!」

「了解しました」 
心なしかリタの声が弾んでいる様な気がしたが、兵士の頃の血が騒ぐのかもしれない。 モリはボンネットを下ろすと車に乗り込んだ。ドローンのカメラからの映像を見る。モニターからは音は聞こえないが「パン」とタイヤがパンクする音がしたのだろう。2人組が慌てて車の後方に廻っていた。
障害を排除したワゴン車は首都を目指す。1時間もかからずに到着する。

一方、何故タイヤがパンクしたのか、未舗装のスぺースで車をUターンさせた際に何かを踏んでしまったのか分からず、スペアタイヤの交換に取り掛かり、30分近くを費やしてしまった。
タイヤを外して、ヘッドライトでパンク箇所を照らして合点する。手段は分からないが狙撃されたのだ。尾行されているのを知られたので、煙幕を出して車を止めた。

何の問題も無かったかのように発進し、走り去ってゆく大型ワゴン車を見送るしかなかった。

***

ビルマ社会党のカネの出処・流れを、誰も掴み切れずにいる。
クーデター阻止に尽力したプルシアンブルー社と、ビルマで陣頭指揮を執ったモリが政党に関与している。それ故に、日本の政党やメディアが、ビルマ社会党を調査したがり、事実を解明する音頭取りを始めている。

「ビルマで何らかの悪事を働いていないだろうか?」という淡い期待を、日本の既得権益にしがみ付く皆様は願っていらっしゃるらしい。要は日本社会党・共栄党の勢いを削ぐ為の材料を、ビルマで手に入れたがっているのだろう。
“出る杭を打つ”のを命じる方も、命じられる方もご苦労な事だ。調査に投じた費用と費やした時間は無駄になる。ビルマはつい最近まで軍事政権下にあり、現在も後進国にカテゴライズされている。日本の政治資金規正法の様な決まりは無いし、政治活動に規制は掛けられていない。つまり「何でもアリ」の世界なので、法的に指摘されることもない。
勿論、既存の日本の政党以上の常識は抑えているので、清廉潔白・明朗会計を地で行く運営をし続けている。

旧軍事政権下では、軍や警察が賄賂を公然と要求していた国なので、杜撰なルールしか無いに等しい。確かに主要政党が悪事に手を出せば、後に判明するにせよ、実行できてしまう国だ。
クーデター未遂から2か月程度で、法制度が先進国の様に整うハズもない。そんな国で一人の日本人がチヤホヤされているので、誰も彼もが把握したがるのだろう。
プルシアンブルー社がビルマへの支援を何かしらしているのは間違いなく、同社がビルマに対してどれだけ資金を投じ、何をしているかは、同社の3月末までの第一四半期決算報告が最初となる。

日本の社会党の資金源は、プルシアンブルー社による兆単位の融資で購入した不動産を担保とし、富山の地銀から件案毎に融資を受け、コロナ明けで上昇に転じた不動産を少量づつ売却して、融資の返済に当てている。
一方、共栄党はモリ親子の音楽印税・特許収入が軍資金となっているが、ビルマ社会党はどちらの党とも異なる資金源を持っていると、誰もが想像する。仮に日本社会党の様に不動産を基準にすると、ビルマの地価は日本とはかけ離れているので、日本の社会党の真似は出来ない。
共栄党の資金源の印税・特許はビルマ社会党まで潤す程、余裕のあるものでもない。しかしながら、ビルマ社会党は数百億ドルにも及ぶ資金を、シンガポールやブルネイ、タイ、カンボジアの王族が関与する東南アジア各国の金融機関から融資として得ている。各国の金融機関が担保条件をどう設定しているのか?そこが把握できずに居る。融資返済も既に始まっているのだが、滞っている形跡は見られない。それ故に問題にもなっていない様だ。

ビルマ内のプロジェクト件数は増えており、融資総額は増え続けている。ビルマの経済成長は確実と見做され始めているはいえ、早晩資金繰りが滞るタイミングがやって来るのでは?と、懐疑的に見る向きも少なくなかった。

日本大使館の黒岩は、水分補給をしようと人々が涼を求める、果物ミキサーで砕いたドリンクを出す店に入る。ミキサーに掛けた液体をそのまま出してくれて構わないのだが、得てして砂糖や練乳ミルクを入れて、お子様仕様にする。糖分補給も必要だが、隣国のタイでは何にでも砂糖を過剰に入れるので、保健所が砂糖の消費量を減らすキャンペーンを始めている。国の経済が成長し始めると、タイと同じような傾向が、ビルマでも出てくるだろうと予想される。

そういう意味ではASEANで最も出遅れた後発国ビルマは、“人のフリ見て、我が身を直せ”的な、事前対策が講じられるので、国を導きやすいハズだ。
大使に命じられて、仕方なくアラ捜ししているが、ビルマ社会党は間違いなくシロで、同党がビルマを牽引すれば、ASEANの大国になるも夢ではない、と黒岩は思っていた。
同僚の大使館員には言えないが、個人的に物凄く期待していた。

今までは、軍事政権が国を牛耳って長年鎖国をしてみたり、世界の成長と逆行する動きを推進していたので、ビルマという国への評価が低かった。ところがクーデター後、プルシアンブルー社が関与してからは、信用調査機関も若干だが評価を上げ、概ね上昇傾向に入りつつある。

それでもASEANの中進国マレーシア・タイ等と比べれば、まだまだ下のレベルにある。
中国企業の撤退が進む一方で、代わりにビルマへ進出しようとする企業は未だ少なく、当面はプルシアンブルー社のビルマ経済に占めるパーセンテージが突出するだろうと予想されている。

一方で、否定的な見方も少なからず有る。
ビルマへそれなりの額面を投じているプルシアンブルー社の唯一のリスクが、国家としては脆弱なビルマへの関与だとも言われている。もし、ビルマで何らか大きなマイナス要因が生じると、同社の評価自体も下がる可能性もゼロではない。ビルマ市場以外でのプルシアンブルー社の事業は概ね好調で、株価上昇は続いている。片やビルマ経済はプルシアンブルー社依存の様相を呈している。

総論としては、新市場としてのビルマを好意的に受け止めている風潮はある。しかし、プルシアンブルー社以外の企業が何のコネクションも無いままビルマへ進出しても、成果を得られるとは限らない。競合先としてのプルシアンブルー社の存在もあって、ビルマ市場から撤退に追い込まれている企業も既に出始めている。主に逃げ出し始めているのが、中国資本だ。ビルマ内24000社の中国資本が撤退し続ける中で、飲食食料品会社は台湾資本やタイ資本にとって代わり、工業品製造全般はレッドスター社というビルマ軍資本の新興企業に買われている。
この動きにビルマ社会党やプルシアンブルー社が関与しているのか、していないのかが良く分かっていない。

食料品会社の台湾とタイによる資本算入に違和感は無いのだが、それ以上に謎に包まれているのが、各金融機関のアナリストや経済ウォッチャー達が注目している「レッドスター社」なる存在だ。レッドスターの社長を始め幹部達がカレン族、シャン族など少数民族の中国名を持つ者が設立した企業となっている。二束三文での買収とは言え、旧ミャンマー軍に納品していた銃・火砲器製造、中国製戦車・装甲車の整備工場、軍人用衣服・軍靴製造会社、弾薬、弾丸弾頭製造会社などの軍事関連企業をレッドスター社が購入し、操業を続けている・・ことになっている。
旧ミャンマー軍資本のミリタリーバンクがレッドスター社に対して継続融資しているが、同銀行の幹部だった旧ミャンマー軍のOB達も刷新されつつある。ここまでは資料、データ上の話でしかなく、レッドスター製の製品が流通していないのか、誰も市場で見ていない。レッドスターという名とビルマ軍幹部による構成なので、一見ビルマ共産党系の企業の様に見えるのだが、プルシアンブルー社やモリが裏で関与している可能性を、ラングーン(旧ヤンゴン)の各国大使館は追っている。

何らかの接点があるやもしれないとは黒岩も把握していた。例えば、ビルマに進出していた弾薬弾丸製造の中国資本企業が、レッドスター社の傘下の企業に転じた。IT部門にプルシアンブルー社の社員達が出入りしているのを黒岩も目撃している。新製品の製造を始める為の製造ラインを構築中という、社員の話も確認している。6月には新製品を投入する予定だという。

そのスピード感だけを見れば、プルシアンブルー社の時間軸とも言え、同社のレッドスター社への関与の線はあり得るのかもしれない。旧ミャンマー軍も謎に包まれていたが、今ではその資金源や金の流れから中国の関与まで徐々に明らかになりつつある。
その一方で現ビルマ軍は情報公開の準備を始めているとアナウンスするものの、未だ何一つ発表していない。謎の組織のままだった。
クーデターが起きて、鎮圧されたのが2月1日。
まだ3月なので全容が明らかになるのは、まだ先か?と甘いスイカ練乳ミルク入りシェイクを飲み干して、黒岩は気休めに出っ張った腹を摩って、シェイクのお代りをオーダーした。

***

富山でモリの妻に単独取材を実施したAsiaVision社の小此木記者に対して、ビルマに行ったら内情を教えて欲しいと、他社の記者から本気なのか冗談なのか良く分からない話を切り出されるケースが目につくようになっている。

「奥さんに取材出来るのも資本関係のお蔭だよね?ビルマの内情なんて、お手の物でしょ?」というノリなのだが、小此木は憤慨する。「教えるつもりは全くない。ヒトに頼らず、己が取材しろ!」と思っていた。

米国首脳とアフガニスタン国防相が帰国した後で、「軍資金を手にする為にアフガニスタンへ派兵する」とモリはメールで送ってきた。通常、軍隊派遣を通常の資金源とするのは極めてナンセンスだ。兵士の命で資金を得る様なものとなるからだ。しかし、生身の兵士は前線に出ずに、安全な後衛に留まれば話の趣きは全く変わってくる。
従来までは不可能だった、人工知能を得た兵器が戦闘の前線・最前線に出る選択肢を、ビルマは得ている。当然ながら、この情報をニュース番組内で伝えるわけにはいかない。

「ビルマが参戦に応じない」
他国の介入に批判的な中国・パキスタンが、ビルマの決定を称賛し、アフガニスタン暫定政府と米国がビルマへ助力を求めたのは、協定違反だとタリバンがヒートアップしてゆく・・この“状況”を欲していたのだろう。

また、ビルマ“ネタ”は視聴率が取れる。
例えば、アジアビジョン社の番組に出演する小此木記者は、ビルマ軍の資金獲得手段で、軍派遣以外の方法として、番組内で以下のように情報を提供する。
「軍の物資調達先の7割近くがプルシアンブルー関連企業が占めており、レッドスター社は2割となっている。今後もレッドスター社による中華系資本の吸収合併や買収が進むようであれば、ビルマ軍調達に占めるパーセンテージは増加する可能性は有る」と。
一方、レッドスター社の財源が限られ、尽きる様な事態となると暗雲が立ち込めかねないと警鐘を鳴らす。
「レッドスター社が独自開発・製造する製品でヒット製品が出たり、ビルマ軍以外の軍隊に販路が拡大する等、何らかの成果を得られなければ、企業としての可能性が限られたものとなるでしょう」と。
小此木はそんな事態にはならないと知っていながら、“ワザと”不安を掻き立てる様な物言いを番組内ではする。
「レッドスター社業績好調」といった情報が“もし”出たなら、「驚きました。想定外でした。どうやら私の杞憂だった様ですね」とコメントすれば良いだけだ。

小此木を始めとする取材チームが、明日のモリの単独取材の準備をしていると、小此木の元にモリからメールが届く。
「今、アフガン関連の協議で首都に居る。明日のラングーンでの取材はキャンセルで、首都の家で撮影・収録とさせてくれないだろうか。申し訳ないんだけど」という内容と、バーマ市内の住所が添付されている。住所をググると、これまたラングーンと似たような邸宅だった。

「何これ?2か所に豪邸って、どんなポジションなのよ、あなたは!」 小此木記者は厭きれていた。

(つづく)


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