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【時事抄】 2つの局地戦で踏ん張ることこそ

日経新聞の朝刊で、秋田浩之さんの記事は欠かさず読むようにしています。複雑な海外情勢を整理し、今後の展望を考えるうえで欠かせない知識と視点を提供してくれます。文章も上手でわかりやすい。

今朝の日本経済新聞に掲載された最新コラムを見てみます。

<要約>
中東の戦況が予測できないなか、中東情勢は想像を超える早さで危ない方向に進んでいる。今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない。岸田首相が重ねてきた警告は、いまや「今日の中東は、明日のアジア」という方が正確だ。局地紛争が大戦争に発展するリスクに覆われているからだ。

南シナ海や朝鮮半島に火種

台湾侵攻への野望を隠さない中国も、ただちに実行に移すことはないと専門家たちは見ている。だが、南シナ海や台湾海峡で偶発的な衝突が起き、米中が意図せず戦争に巻き込まれて拡大する懸念がある。

南シナ海で中国とフィリピンが領有権を争い、中国船はベトナムやマレーシアの係争海域にも頻繁に侵入している。北朝鮮は今年初めから異例の頻度でミサイル発射を続けており、日米韓の安保当局は北朝鮮がいずれ軍事的な挑発レベルを強めると警戒する。

もっとも、こうしたアジア太平洋の火種は以前から続くことだ。憂慮すべきは、欧州、中東、東アジアの3域が同時に沸騰したときで、3つの危機が互いに連鎖し、動揺が加速する「負の連鎖」が始まりつつある。

勢いづく「戦争の枢軸」

中東情勢の危機に乗じて、ロシアや中国が他地域でも強気の行動に走り、西側主導の秩序を揺さぶる、と専門家たちが懸念を共有する。ロシア、中国、イラン、北朝鮮は、「戦争の枢軸」というべき安全保障上の協力関係を構築して、武器、製造設備、部品類と軍事技術とを相互交換している。

この「枢軸国」の行動は、ウクライナ戦争、中東紛争、アジア危機へ同時に油を注ぐにひとしい。かつて独・伊・日の3国が枢軸を組み、欧州でポーランド侵攻が、太平洋ではハワイ真珠湾攻撃が始まった。そんな100年前の姿を思い出させる。

全面戦争を防げ

もちろん過去と現在を単純に比べられないが、欧州、中東、東アジアで同時に戦争のマグマが溜まる構造は似ている。そして心しておくべきは、世界最強の米軍といえども、今や一地域の大紛争に対処する能力しかないという現実だ。

欧州、中東、東アジアで同時に紛争が広がる事態にどうするか、万一に対処に失敗したら。最悪の事態は、いまここで対策を怠り、負の連鎖が広がった後になって、米軍戦力を地域で奪い合う展開だ。ウクライナ戦争と中東戦争という2つの難題を、今同時に解決せねばならない。


こういう要約を作ると、自分の脳内を通って別の言葉に置き換えるプロセスを通じて、長く記憶に残りやすくなります。何を書こうかと悩む必要もないので、要約するという作業、気に入っています。

黒柳徹子「来年はどんな年になりますかね」
タモリ「新しい戦前になるんじゃないでしょうか」

2022年の暮れ、「徹子の部屋」にゲスト出演したタモリが司会の黒柳徹子の質問に即答した言葉をめぐり、SNS等で大きな話題を集めました。

2020年のコロナ禍が、1918年~1920年にかけて大流行したスペイン風邪を連想させたように、現代が1世紀前の世界と重なる部分が多いと指摘する識者がいます。その場合、あんまり明るい未来を想像できなくなるのですが、同じことを繰り返さぬよう、歴史を学び、教訓を得ていきたいものです。

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